[8-4]マネジメントなど、できない
日曜日, 10月 25th, 2009哲学者ダニエル・デネット(Daniel C. Denett)によれば
(正確にいうとぼくは原書を読んでいないので翻訳者の山形浩生によれば)、
自由とは、ぼくたちが何かをできるようになることである。
この論でいくと、ダイキンが新型インフルエンザウィルスを100%除去できる
空気清浄機を開発したことは、それだけ人類の自由を広げたことになる。
「それまでできなかった何かをできるようになる」
「遺伝子で制限されていた能力が拡大し、文明なり技術なりのおかげで
できるようになる」
ことがデネットのいうところの自由である。
ここには、「こうすれば、こうなる」という線形論理が働いている。
ホーケンのスタンスはこれとはまるで逆だ。
私たち人間は、ふりかかってくる大量の問題を手中にし、何とか
マネジメントしてやろうなどと思わないことだ。そんなことは不可能だと
推論できるだろう。 (p.328)
「何が起こるかわからない」現実を相手に商売している商売人としての
ぼくの体感覚でいうなら、やはりホーケンの言う通りだなあ、と思う。
「こうすれば、こうなる」とわかるのなら、商売の醍醐味なんて、ない。
だとすると、デネットの自由の定義には賛成できないことになる。
いや。賛成するもしないも、そもそも商売にとっての自由は何かを
考えればいいのか。
そしていつも言うように、商売はやるか・やらないかであって、
自由の定義など、実はどうでもいいのである。
ホーケン自身、上手な商売人だからなあ。

