『ネクスト・マーケット』(原題はThe Fortune at the bottom
of the pyramid)付録CD-ROMにあるインドの眼科医療に
ついて見てみよう。
Aravind(→クリック!)のつくりあげた眼科治療システムは、
インド国内だけではなく、世界が参考にできる先進的なものだ。
技術もさることながら、そのコンセプトが。
Madurai (マドゥライ)を出発点に、現在は5つの拠点をもち
(他にはTheni, Tirunelveli, Coimbatore and Puducherry)、
年間240万人の患者を迎え入れ、28万5,000回もの手術をしている
(ウェブサイト記載、2009年9月3日時点の数字)。
医師一人当たりの施術数は一人2000回、これはインド国内の医師平均
が220回であることから考えると10倍近い(2004年時点の数字)。
治療費の支払えない患者には「後でいいよ」といい、支払いを迫らない。
結果、支払える一人が二人分の治療費をまかなう計算になっているが、
それでも十分経営は成り立っているし、「フランチャイズ」として医療施設を
増やせている。
医師にとっても、手術が多いことは勉強になり、仕事量を通常の40倍から50倍に
増やすことで、鍛えられる、と、何とも前向きな姿勢で、歓迎されている。
疲弊化、形骸化して患者も家族も疲れきってしまっている現代日本に「輸入」
したいほどの素晴らしい医療だ。
「インドの人口10億人に対し、私たち医師は11,000人しか
いません。だから、Aravindの仕事量を増やす仕組みは歓迎なのです。
一人でも多くの患者を診ることができますから」
こう話す医師の顔がまぶしい。