Archive for 8月, 2009

[6-17]中国は市場

月曜日, 8月 31st, 2009

chinakir

写真左から、日経プレミアシリーズ046木村秋則さん

『リンゴが教えてくれたこと』、下にあるのはサラ・ボンジョルニという

人の書いた『A Year Without “MADE IN CHINA”』、

そして倉敷帆布製の携帯入れ。

ぼくは、木村さんのりんごや倉敷帆布はもっと

世界の人に知ってもらいたいと思っている。だって、品質いいから。

すっごくいいものだから、世界中の人が食べたり、使ったりしたら

ハッピーになると思っている。

サラの本は、一年間中国製製品を買わず、使わず、という「チャイナフリー」

の生活をしてみたらどうだったか、というものだ。アイデアはとても面白い。

しかし、中国を工場とだけとらえるのは視野狭窄であり、むしろこれからは

巨大な市場ととらえてみることはできないか。

中国を工場ではなく市場として設定したとき、ビジネスに

新しい課題と可能性が生まれる。

そこが楽しいんだね。

[6-16]アニメは世界を救う

日曜日, 8月 30th, 2009

アメリカでも『ポニョ』が公開され、喝采を受けているらしい。

PIXARのジョン・ラセターの仕事部屋には「宮崎神社」があり、トトロを

はじめとするおなじみのキャラクターグッズで埋もれているという。

宮崎監督も、『千と千尋』プロモーションで渡米した折、ピクサーを

訪問している。

つまり、現在地球上最強のアニメクリエーターは相互に影響し合っている

わけだ。

『カールじいさんの空飛ぶ家』(→クリック!)の日本公開を今かいまかと

ぼくはワクワクして待っている。

これらも、グローバル・ビジネスの輝きの面だろう。

[6-15]ゲリラ雷雨防衛隊

土曜日, 8月 29th, 2009

さて、今日からはグローバルビジネスの可能性についても

考えていこう。何も悪いことばかりではないはずだ。

ウェザー・ニューズ(WN)がやっている「ゲリラ雷雨防衛隊」は、一般の人から

「隊員」を募集し、各地の天気、特に雲の様子を写メと感覚で感じた

メール文章で報告してもらい、本部で集約、ゲリラ雷雨が発生しそう

であれば警告メールで事前に報せるサービスである。

募集開始からわずか一週間で1万4,000人以上が隊員に応募、

参加動機はお金というよりも「災害で人命が失われることをなくしたい」

という善意である。

ステージを1から5まで5段階に分け、ステージ3、即ち「いまから30分以内に

ゲリラ雷雨あり」になったら、急ぎ警告メールを「発射」(WN社の用語)

する。警告メールを出すか否かの判断をするのは20代の女性社員だ。

Webとケータイと現地の暗黙知とが幸福なマッチングをして実現した

まさにボトムアップでJOY+WOWビジネス、素晴らしい!

このサービスが地球全体に広まれば、きっと災害をかなり未然に

防ぐことができる。

こういうグローバルビジネスは、とても大きなハピネスを実現して

くれるよね。

[6-14]ビジネスに幸福論が欠かせない理由

金曜日, 8月 28th, 2009

「貧困をなくし、環境悪化を食い止める」という美辞麗句

のもと(その実態は、机上の空論に過ぎない19世紀イデオロギー

の遺物である)、神の見えざる手が良きに働くという市場原理主義

を現代のグローバルな貿易へと強引に適用しようとするのは、

血圧が高いから動脈にスリットを入れて血圧を下げようと

するような無謀な試みだ。実のところ、貿易なんてものは

重要な問題ではない。事の本質は、「誰がルールを作り、

誰がその実行を強要するのか」という問いなのである。

 最優先課題が金儲けという組織がルール作りをする世界に、

サステナビリティ(持続可能性)なんてものは成立し得ない

のだ。(p.251)

 富の、限度を知らぬ拡大の夢。(p.256)

 だからこそ、21世紀の新しいビジネスは、その出発点に、

「何のためのビジネスなのか」という哲学と志が必要だ。

「あなたは何をしていたらしあわせですか?」

という幸福観の思惟が存分になされないことには、

ビジネスを通じての人類の進歩にはつながらないと思う。

[6-13]スローな良き時間

水曜日, 8月 26th, 2009

The Long Now Foundation(→クリック!)

設立趣旨を読むと、

現代社会にはびこる「より速く、より安く」の風潮に棹さし、

「よりスローに、より良く」時間と向き合っていこう、

と提唱するものである。

1996年設立、この先10,000年を視野に入れた

活動をしようとしている。

ところで、10,000年続いたビジネスって、あるのだろうか。

10,000年ブランドと最も遠いところにあって、本人も

その気は全くないと思われるゴールドマン・サックス

は昨年の金融危機にもめげず、米国労働力人口の6人に1人が

失業中か潜在的失業の状態であるにもかかわらず、

先月(2009年7月)、史上最高益を出している。

結果として、昨年秋以来の人類の体験は、ウォールストリート

には学びとして残ったのだろうか?

(翻訳書p.248-250あたり)

[6-12]アナログ放送終了もビジネスチャンス!?

火曜日, 8月 25th, 2009

アメリカでは、2009年6月12日、アナログ放送が停止、すべて

デジタル化された。

使えなくなったアナログテレビはどうなるかというと、リサイクル施設に行く。

テレビやパソコンのモニターには、有害物質が多く含まれているので、

たとえ自治体でも、簡単に焼却したり埋めたりはできない。

そうすると、プロフェッショナルな知識と技術を備えたリサイクル会社に

委託するようになる。

リサイクル会社は分解した部品を、販売する。

ブラウン管に使われていたガラスはインドへ送られ、いったん融解

された後、モニターやテレビを作るガラスへとリサイクルされる。

まだアナログ放送を続けている国(ベネズエラなど)にテレビまるごと

送られることもある。

さて、日本。

日本でアナログ放送が終了し、デジタルのみとなった時、さて、

不要となったテレビは、どこへ行くのだろう。

「ビジネスチャンス」と、虎視眈眈としている企業が、きっといるはずだ。

[6-11]水の民営化

月曜日, 8月 24th, 2009

水は命を守り、育むために何をおいても重要な資源だ。

しかし、この水が、ビジネスの標的にされていることは

「知る人ぞ知る」レベルであり、「みんなが知っている」わけではない

ことが非常に危険だ。

水と衛生処理ビジネスの市場規模は2,000億から4,000億ドル。

実は石油と同等の規模を持つ。

スエズ社とベオリア社がほぼ独占的に市場を握っており、シェアは

70%を誇る。

やっかいなのは、途上国が世界銀行から融資を受ける条件として

水供給の民営化プランを提出しなければならないことだ。

これは新たな利権であり、日本もその標的になっている。

現に、ベオリア社は某日本企業を傘下におさめ、着々と布石を

打ち、実際に受注した都市もあるという(どこかのネットで

見たが、事実を確認できていないのでここでは書けない)。

ぼくは「何でも民営化」には反対の立場だが、水もその最たる

ものであり、水の供給こそ、官のなすべき重要な仕事と

考えている。違うだろうか。

(翻訳書p.243-244)

[6-10]ダーウィンの悪夢

日曜日, 8月 23rd, 2009

ドキュメンタリー映画『ダーウィンの悪夢』(→クリック!)

タンザニア、ヴィクトリア湖に移植されたナイルパーチの

おかげで湖内350種の魚が絶滅し、生態系が破壊

されてしまった。原因は1960年代に世界銀行が

ヴィクトリア湖の魚加工業に資金援助したことと

いわれる。

「大金を生む魚」ナイルパーチは、EUほかへ輸出され、

魚加工業者は大儲けした。

EUへ空輸で運んだ飛行機の帰り便には、時に武器が

搭載されていることもあるという。

これらの武器は中央アフリカで起こっている夥しい数の

紛争、戦争に使われる。そして、難民が生まれる。

ヴィクトリア湖に戻ろう。

湖の生態系が破壊されるとどうなるか。

住民は昔ながらの漁場を失った。

生活の糧を得る手段を失った住民たちには

食料がなくなった。世界銀行が資金援助した

魚加工工場から出るごみの魚の頭や屑を乾かして

食べるしかない。乾かすために海岸線の森に

ある木を伐採して燃やす。

森が力を失うと海岸線の侵食が進んで

土砂の流出、富栄養化が深刻になる。

結果、この土砂と富栄養化が上記すべての引き金と

なったナイルパーチ自身を脅かしている。

子どもたちはタンパク質が欠乏し、HIVに感染

した娼婦が漁業キャンプを歩きまわる。

湖の生態系の中にいたはずの昆虫が、魚の絶滅の

おかげで死ななくなり、はびこるようになる。

・・・と、ここまで書いてきて、これはタンザニアの

話ではなく、日本でも実は静かに起こっている

ことなのではないか、と思い始めた。

生態系の破壊だけではない。

ヴィクトリア湖のナイルパーチは、スズキの一種。

日本にも空輸されて、食卓に供されているかもしれない

のである。

(翻訳書p.242-243)

[6-9]ファッションとしての海外生産

土曜日, 8月 22nd, 2009

非常に根本的な疑問が浮かんだ。

日本の大企業メーカーは、「日本で作っていてはコストが合わない、

だから、海外に行く」という。まるで錦の御旗のように。

本当にそうなのだろうか。製造業の雇用からの逃走が、

さらに雇用を減らす、という、負の連鎖を生んでいるだけでは

ないのか。

守秘義務があるので言えないが、ある海外生産の現場の

話を聞いていて湧き出たのが冒頭の疑問だ。

「そんなの、日本でいくらでも作ってくれる工場あるよ」。

どうも、「海外で作らなければならない」という「自分たちで作った

前提の奴隷」になってしまっているように思える。

海外で生産する、といったところで、そこには部品の調達、

ロジスティクス、納期、アセンブリのための全体コントロール、

完成品のデリバリー、微調整といった仕事もある。

当然、人も出張してミーティングしなければならないので

そのための旅費交通費がかかる。

「ファッションとしての海外生産」のおかげで、国内雇用環境が

これほどまでに悪くなっているのだとしたら、グローバル企業の

犯した罪は非常に重いよねえ。

[6-8]商品仕入れと同じです

金曜日, 8月 21st, 2009

今日も『NO LOGO』を見ていこう(原著p.243-244、翻訳書p.233)。

スターバックス・アメリカではStar Laborという独自のソフトウェアを開発、

店舗人員のシフトを完璧に管理している(日本では不明)。

このソフトを使えば、スーザンが分刻みに何をしたかがわかる。

スーザンが勤務時間内にラテを何杯売ったか、だけではなく、

その時間帯の客数から考えて、スタッフが何人入るのが

経営上最適なのかをはじき出すことができる。

同じようなシステムをウォルマートも導入していて、人員管理は

水も漏らさない。CEOのデヴィッド・グラスは言う。

「これは商品の仕入れ(マーチャンダイジング)と同じなのです」