男塾誕生秘話「1人で立つ!」(後編)

今日は前回の続きね。というわけで、ダメな男のせいで会社を辞めてしまった29歳の才女。それからしばらくして、JOYWOWのけーちゃんとゆかりさんと、オレとかみさんの4人で、宮沢賢治館の訪問をメインとした温泉ツアーをやった。余談だが、旅行というのは、本当に気の置けない人たちと行くのがイチバン。この4人で遊びに行くと、みんな「気づきのプロ」だから、めちゃくちゃ気持ちいい。

夜の食事のときだった。オレは突然、29歳の才女の話を始めた。
「本当に、世の中の男をなんとかしなきゃダメだと思うよ。オレ、漢(おとこ)らしさを磨く「男塾」でも作ろうかな」
本当に、軽い冗談のつもりだったんだけどね。そしたら、けーちゃんとゆかりさん、

「JOYWOWでやりなよ、それ。絶対いいと思うよ」
「せや、せや」 (正しくは「しや、しや」。文字で書くと意味不明)

というわけで、その気になったオレは、温泉から帰ってすぐに40ページくらいのテキストを書き上げた。書きながら、もう一度「漢らしい」ってなんだろうって整理してみた。結論はすぐに出たね。

漢らしいとは、「1人で立っている」ってこと

つまりね、「なにかに依存していない」ってことよ。「なにか」はいろいろあるよ。まずは、前回も書いた「母親」。男どもはまず、これからチェックしてみなきゃね。よく考えてみると、親子というのは本当に不思議な関係だと思う。なぜかって? だってね、子供が親に対してどんなに失礼なことしても、罵詈雑言あびせたとしても、親は絶対に許してくれるんですよ。無償の愛ですよ。

世の中見渡してみて、親子以外でそんな関係が成り立つことはまずないでしょ。そこに気づかなきゃダメ。多くの男どもは、恋人とか奥さんとかとも、母親との間にある特殊な「無償の愛の関係」が築けると勘違いしている。しっかり認識しましょうね。どんなに親しくなっても、「赤の他人」なんだってことをね。

カンガルーの袋で育った子供が、外の世界に出るように、男が1人で立つためには、まず、「親さえも他人」という覚悟を決めること。決して親を突き放すということではない。1人で立つことができていれば、親が困ったときに本当に役に立てるのだからね。そうして、次に、この世界に存在する自分以外の人々は、すべて「他人」と肝に銘じること。

親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるでしょ。これは本当によくできている。人間関係をうまくいかせるために必要な要素が、この9文字にすべて集約されているんだね。恋人であっても、奥さんであっても、「礼儀あり」なんですよ。甘えちゃいけない。エゴを押しつけちゃいけない。100パーセントの努力でもって尊重しなければダメなんです。

親子の関係を清算できたら、そのほかの依存を確かめてみる。オレもそうだけど、なににも依存していない人なんてこの世にいない。だからこそ、「いま、自分がなにに依存しているか」をちゃんと自覚しておく。会社、友人、いまの仕事、部下、上司、同僚、酒、たばこ、異性、ギャンブルなどなど。そうしておいて、「それらがなくなったとき、自分は1人できちんと立っていられるか?」を自問してみる。

この会社を辞めても1人で立っていられるか
この上司がいなくても1人で立っていられるか
この集まりがなくなっても1人で立っていられるか
この人が亡くなっても1人で立っていられるか

答えがYESなら、その人は立派に漢らしい。NOなら、そこに依存せずに生きられるように、努力する。その努力のプロセスこそが「漢道」(おとこみち)なんだぜ。結果じゃなくてね。

完全じゃなくてもね、その「漢道」を歩き始めると、いろんなことが変わってくる。まず、

なにかうまくいかないことがあっても、絶対に他人のせいにしない

ってことができるようになる。これも男塾ではとても大切な掟になっている。1人で立っているんだからね。「あいつのせいでこうなった」なんて言ってたら、それこそ依存ですよ。自分の問題に目を向ける代わりに、他人や世間や社会や会社のせいにして痛みから逃げる。ね、依存してるでしょ。漢はだまって、自分の非をを明らかにするのみ。そうしていると、次は、

問題や障害やトラブルには成長の鍵が隠されている

というすごいことに気づいちゃう。だってそうでしょ。漢はだまって自分の問題に向き合う。向き合って解決するために努力する。すると、あら不思議。次に同じような問題に出くわしても、一度、闘って勝っちゃってるからどうってことない。漢は問題に出会えばであうほど、たくましく成長していくってわけさ。そんで、問題が起こったときに「ニヤ」っと笑えるようになれば上級者。

あと、他人とのコミュニケーションも変わってくる。1人で立って、相手を心から尊重できるようになると、

真っ直ぐ正直に伝える

ことができるようになるんだな。だってね、依存している相手だったら、気も遣うだろうし、「これを言ったらイヤなやつだと思われるんじゃないか」とか余計な詮索しながら話しちゃうでしょ。でもね、1人で立っていさえすれば、「こちとら漢だ。真っ直ぐ正直に言ったのに、機嫌を悪くするようなちっちゃなヤツだったら、こっちからつきあいは願い下げよ!」ってな具合に、しゃんとしていられる。

相手を思いやらないということじゃない。真逆ね。相手を本当に尊重しているからこそ、「本当のことを言わないのは失礼」なの。ほとんどこの世で交わされてるコミュニケーションっていうのは、「無難に、波風立てずに、本音はできるだけ隠して」じゃない。とくに会社なんかそれの権化だよね。だから、うまくいかないんです。漢らしく、真っ直ぐ伝え合う習慣ができたら、ほんと、変わるから。うん。

てな感じかな。わかっていただけたでしょうか。温泉で生まれた男塾の誕生秘話と「漢らしさ」とはなにか。このまま書き続けたら、40ページ分いっちゃうから、今回はこのくらいにしといてやろう。おお、そう、そう。最後にイチバン重要な疑問に答えておかなきゃ。

ところで、塾長のZONOさんは、そういうこと全部クリアしちゃった本物の漢なんですかー?

もちろん! いや、ウソ、ウソ。そんなわけないじゃん。オレこそ、男塾に通わなきゃならない筆頭ですよ。でも、オレの知る限り、そういう男塾なんてないから自分でやってるだけ。みなさんと一緒に漢を磨きたいと思っている求道者の1人ですよ。ただね、日々、努力はしてる。少しでも漢に近づこうとね。そんなわけで、最後に一句。

甘えたい
気持ちこらえて
おとこみち

ダメだ。あんまり冴えなかったね、オレ。(おわり)

Comments (2)

Yosh3月 4th, 2009 at 11:20 AM

Totally agree!です。
(実践できてませんが。ということはagreeしてないことか?!)
それはさておき、続き、楽しみにしてます。

[...] 「漢として生きるために最も大切にすべきこと」。この問いに答える前に、もう1つ手前の「漢(おとこ)とは?」を定義しておかなくちゃね。実は、これ、このブログの最初に書いていた。もう一度、引用しようかな。『男塾誕生秘話「1人で立つ!」(後編)』より……、 [...]

Leave a comment

Your comment