「がんばる」じゃなくて「踏ん張る」
とってもひさしぶりの『男塾@BLOG』なんだけど、みなさん、お元気でした? オレは楽しいこともたくさん、大変なこともたくさんで、総合的にはハッピーな日々を過ごしていたよ。「男塾マンツーマン編」もおかげさまで、参加者のみなさんからご好評をいただき、今月もアンコール開催が決まりました。どのくらい好評だったかはこちらに掲載されているので、気になる人は見てみてね。
でね、ほんとつい最近なんだけど、またまた新たな発見があったんだよね。なんというか、人生には「勝負所」みたいなものがあるでしょ。これがけっこう辛いわけ。そういうことに直面している人から相談を受けたとき、「とにかくがんばろうよ!」とかいうじゃない? この「がんばる」ってのがダメだなとわかったんだよね。うん、これが今日のテーマだね。
躁鬱病なんかで精神的にまいっている人に、「がんばれ!」といってはいけないらしいね。こちらは励ましているつもりでも、本人はその言葉でさらに追い込まれてしまうそうだ。この間、『朝まで生テレビ』でも、同じようなことが話題に挙がっていたな。出演者の1人がね、こんなことをいっていたのね。
「よく、若い人に“もっとがんばらなくてはダメだ”という大人がいる。でも、自分は“がんばれ”なんていってほしくない。そもそも、“がんばれ”っていわれても、なにをどうがんばればいいのかさっぱりわからない」
うん。オレ自身はけっこうがんばっちゃうほうだから、この人がいったいなにを主張したいのか、テレビを観ているときはよく理解できなかったのね。でも、あとで頭の中をよーく整理してみたら少しずつだけど見えてきた。実は、「がんばる」ってかなり無責任というか、無目的というか、めちゃくちゃつかみ所がない言葉だったんだね。
少なくとも、人になにかを教えたり、指導したり、アドバイスしたりするプロフェッショナルは、間違っても相手に「がんばれ」なんていってはいけないと思う。もちろん、我々コンサルタントにとっても禁句にしたほうがいい言葉だよ。あとは、先生、上司、カウンセラーとかね。そうそう、親も忘れちゃいけないな。
オレが思うに、人間というのは基本、なまけ者じゃないかと。努力とか一生懸命とかは、実は人にとってナチュラルなことじゃないと思うんだな。だってさ、仕事とか学校とかなかったら自然に目が覚めるまで布団にくるまって寝ていたいじゃない? 寒い日だったら、一日中、温泉とかにつかっていたいでしょ?
小原庄助さんて知ってる? 『会津磐梯山』という民謡に登場する有名な一節があるでしょ。
小原庄助さん
なんで身上つぶした
朝寝、朝酒、朝湯が大好きで
それで身上つぶした
ああもっともだ、もっともだ
オレは子供のころからこの歌が大好きでね。おかげさまで、朝酒以外は、いまでも実践してますよ。まだ、身上はつぶしていないけどね。朝、風呂につかりながら、いつも思うよ。「ああ、小原庄助さんって本当に人間ぽいなぁ」ってね。
つまりね、「緊張と弛緩」だったら、「緩み」のほうが人間の本性だということ。「がんばれ」って言葉には具体性がないでしょ。いつ、なにを、どんな風にがんばるのか。これがまったく記されていない。だから、この言葉を受け取ったほうは、とにかく「緩んではいけない」って思っちゃうよね。そうして、「緊張」のほうを人生のOSにしてしまう。
さらに、タチが悪いことに、人生全般で「自分はがんばっている」って自覚があると、なんかいいことをしているような気がしちゃうんだな。その結果、とてつもなく変な方向に努力してみたり、「人に勝つ」みたいなことにこだわりまくったり、緩む自分を許さなかったり、それはそれは病的な生活をおくるようになる。どう見ても、そこにハッピーがあるとは思えないよね。
でね、オレの結論なんだけど、なにか目的を持って、それを達成しようと思うときがあるでしょ。もしくは、問題や障害に出くわして、なんとかそれらを解決しようと思うとき。人生でいうところの「勝負所」「正念場」だよね。そういうときの心構えをこういう風にしたらいいなじゃないかと。
「基本は緩みっぱなし。でも、押さえなきゃいけないところだけ、ピンポイントで踏ん張る」
そうなのよ。発見というのはこの言葉なの。「踏ん張る」ね。「がんばる」じゃなくて「踏ん張る」。こっちのほうがいいな。で、ものすごく重要なのは「ピンポイント」って部分ね。
・なんのために
・いつ
・なにを
・どういう風に
これをはっきり決めるのが大切。漠然と努力したり、人生全体を張り詰めた空気で満たしたりするのはダメ。「ここぞ!」という部分をはっきり自覚して、そこだけ「踏ん張り」抜く。
たとえば、意中の女性がいましたと。まだ、おつき合いはしてもらえていないのだけど、食事に誘ってみたらOKしてくれた。ね、まさに人生の勝負所だよね。さて、ここで漠然と「よーし、がんばるぞ!」って思う人はもう、結果が見えているよね。普段着ないような不似合いな服を着てしまったり、匂いのキツイコロンつけたり、なんか意味不明なやたら値段だけ高い店を予約しちゃったりね。
デート当日も「がんばる君」は下手打ちそうだよね。妙に肩に力が入ってね、ジェントルに振る舞おうとしながらも、実はガツガツしちゃったりしてね。じゃあ、踏ん張る人はどうするか? ピンポイントでね、先のリストを埋めてみましょうか。
・なんのために→彼女のハートをゲットするために。
・いつ→今度のデートで(とくに食事とその後のバータイムが命!)。
・なにを→彼女が「今日は楽しかった」と心から思える時間を過ごすこと。
・どういう風に→ごくごく自然に、それでいてけっこうロマンチックに、それでいて下半身の欲望を出さずに!
うん、これだけ「踏ん張り所」がはっきりしてたら、うまくいきそうじゃない? なによりも、踏ん張りポイントが明らかになっていることで、余計なことをしなくてすむよね。ほどほどの緊張感はあっても、肩に力を入れなくてもよさそうでしょ。いい雰囲気になったとしても、「最初のデートは下半身の欲望を出さずに!」と決めたわけだから、「ホテル行こう!」って一言を踏ん張って止められるよね。うーん、文字通り踏ん張り所だな(ちなみに、オレはここを踏ん張るのが苦手です)。
たとえば、仕事でも同じ。企画書を創るとする。ひととおり書き上げたあとに、読み直したらなんかイマイチな感じがする。間違ってもここで、「もっとがんばらなきゃ」なんて思っちゃダメよ。「踏ん張り所」を探すのね。もちろん、ピンポイントでよ。
・なんのために→企画書から生まれる商品を買ったお客さんに喜んでいただくために。
・いつ→まさに、いま。この企画書を創っているこのとき。
・なにを→企画書の内容そのものを。とくに、オリジナリティーの部分を。
・どういう風に→自分で「これならいける」と心から納得できるように。
あるいは、会議なんかで、多数の意見と自分の意見が異なった場合。そのまま、自分の意見を口に出さなければ、多数の意見で決定してしまう。でも、どうしても自分の意見のほうがうまくいくように思う。引くか前に出るか? 正念場だよね。まさに、踏ん張り所ですよ。
・なんのために→このプロジェクトを成功させるために。
・いつ→まさに、いま。この会議が終了するまでに。
・なにを→自分の意見を伝え、それをプロジェクトに反映させること。
・どんな風に→自分以外の多数の人たちに、心から理解してもらえるように、愛を込めて。
でね、最初のほうで書いたように、自分が人になにかを教えたり、指導したり、アドバイスしたりするプロフェッショナルの立場だとする。先生、上司、カウンセラー、コンサルタント、そんでもって親ね。自分の生徒やクライアントや子供が正念場にいると思ったら、ピンポイントで「踏ん張り所」を提示しなきゃダメだよね。もちろん、相手から引き出せると最高なんだけどね。
「がんばれ!」の代わりに「踏ん張れ!」+「ピンポイント提示」。さらに、付け加えるなら、その踏ん張り所以外は、思いっ切り緩みまくって、朝寝、朝酒、朝湯で暮らす。息を引き取りそうな人の心電図みたいに、ポツン、ポツンと踏ん張るって感じの絵だよね。そうすれば、心の病にもならないんじゃないかと思うな。うん。
そうそう、「男塾マンツーマン編」のアンコール開催日は、12月19日(土)と12月23日(水、祝日)の2日間です。1日3枠だから、6名様限定ですね。2009年最後のマンツーマンなので、気になっていてまだ申し込んでいないという方は、ぜひぜひ、この機会にどうぞ! もちろん、「とにかくがんばりなさい!」なんていいません。みなさんの「踏ん張り所」を一緒に探しましょう。ピンポイントでね。そういえば、前回、「午前中なら参加できるんですが」って方がいらっしゃったのね。「リアル男塾案内」をご覧いただくとわかるのだけど、このマンツーマン編は13時からなんですよ。ほんと、朝が苦手なのね。早く起きるともう、調子悪くてわるくて。というわけで、ごめんなさい。根っからの小原庄助なんです、オレ。(おわり)


ZONOさん、ご無沙汰しております。あきらです。その節は男塾マンツーマン編でお世話になりました。
久々にこちらのページ伺って(笑、ごめんなさい)、読んでみたら、まさに最近考えてることにシンクロして、嬉しいです。
がんばらないこと=怠けていること、ダメなこと、そんな刷り込みが自分の中にあって、そこと最近は格闘しておりました。つまづくことも考えず、ただただ走り続けた数年間。それはそれは病的だったなと今思います。
つまづいて見えること、立ち止まって気がつくことはあるなあと、つくづく思います。でも、そんなことを考えていると、今度は、思いっきり怠けたり弱ったりする方へ振れはじめる。で、また「がんばろう」って思うんですけど、
無理しなくても、人間、なんか黙っていても走り出すし、黙っていても休んだり怠けるんですよね。(僕自身はがんばっちゃうたちなので、最近は意図して、リラックスモードをONしてますが笑)
しかし、ここという決めどこは休んでいられない。
先日ですね。ジャニーズの嵐のコンサートに行ってまいりまして、悔しいほどにかっこいいのですが、ファンである妻を観察していますと、興奮には波がくるんですよね。いつもいつも松潤がかっこいいわけではなくて、ちょっとした仕草や、決めポーズにしびれていたような気がします。大スクリーンに自分の顔が映る時。曲最後の決めポーズの時。ファンの誰かを指差す時・・・。そんな時は絶対にキメてくる。
でもよくよく見てみると、いつもいつもキメてる訳ではないんですよね。(まあ、妻がこれを読んだら、何してもかっこいいといわれる気もしますが) ライブ構成にしても、スローな曲があるから、キメ曲がより輝いてみえたり。
なんにしてもここぞというところでキメられる男はかっこいいなと思います。
僕自身は、しばらく充電&助走したので、跳躍前、ちょうど、踏ん張り所が迫ってきてる気がしてます。
それはもう、しっかりキメたいなと思ってます。(あ、力入りすぎてるかも笑)