男塾新章特集⑥『ミラクルな企画を実現する実行力』
お、五島さん、おひさしぶり! 「今回は男塾に参加できなかったですが、これは本当に楽しそうですね」と、さっそく「個人男塾」(パーソナルコンサル)に興味を持っていただいて、ありがとう。まだ、どんな形で実施するか、骨子もできていない状態なんだけど、そうねぇ、できれば10月くらいには始めたいと思っています。その際は、気軽に参加してくださいね。
さて、今日は「企画力・プレゼン力・実行力を磨く」の、「実行力」について書いてみたいと思う。素晴らしい発想から「際立つ企画」ができあがったとしても、それを形にするためには行動が必要だよね。そう、この世のあらゆるものは「動くか動かないか」ですべてが決まる。じゃあ、企画を実現するための「行動」とは具体的になにを指しているのか。男塾新章で「実行力」と呼んでいる力とは何なのか。そのあたりを明らかにするのが今日のテーマだね。
ある企画についてプロジェクトが動く絵を想像してみる。どんな様子が浮かぶかな? 入社したてで「なにかやってやろう!」と燃えている若者だったら、企画に描かれた理想の商品やサービスをガンガン開発している絵かな。でも、このブログを読んでいただいている経験豊富なプロフェッショナルなら、こんな感じじゃない?
「予定していた事柄が思うように進まない。いろいろな部署でスケジュールに遅れが出始める。想定していた原価をどうしても超えてしまう。商品の目玉になるはずだった機能に技術的な問題が発生!」
そうね、オレもやっぱり上のような「問題山積」な絵が浮かぶかな。性格的にはポジティブなんだけどね、やっぱり「困難」や「障害」のイメージが強いんだな。でもね、実はこれ、確固たる根拠があるんですよ。なぜ、企画の実現には問題や障害がついて回るのか。ひっくり返していうならば、実現までの道のりに大きな問題が登場しないとしたら、そもそもそれはダメな企画だったってこと。
このことは、「問題とはなにか?」というビッグクエスチョンに答えることで明らかになる。ね、みなさんも、ぜひ、この先を読み進める前に考えてみてほしいんだな。つーか、これ、まさに男塾でやってるワークなんだけどね。やってみませんか? 質問は「問題とはなにか?」。できれば、答えを紙に書いてみてほしいな。普段、あまり向き合っていない設問でしょ。正解はない。自分なりの解釈をしたためてみて。
でね、オレの答えを書く前に、もう1つ聞きたいことがある。
「あなたは100メートルを何秒で走れますか?」
どう? もうこの歳だからね。計ったこともないし、わかんねぇだろうな。でも、ザックリでいいんで、適当に答えてみて。13秒? 15秒? 20秒? うーん、もしかしたら、オレなんて100メートルダッシュを完走できないかもしれないから、答えは「記録なし」だろうな。うん、答えが出たら次の質問。
「では、あなたにとって、その秒数でしか100メートルを走れないことは問題ですか?」
どうよ? オレ? まったく問題ないね。つーか、日常生活の中で、100メートルダッシュなんかする機会もないし、あったところで、足が遅いからといって困ることはなに1つない。おそらく、みなさんも同じでしょうね。そうなんです。現在の我々にとって、100メートル走の記録が何秒であっても問題ではない。
さらに続けて質問ね。
「あなたはいま、どこでどう間違ったか、“来るべき東京オリンピック(まだ未定だけど)に出場する!”というすごい目標を持ちました。そこで、改めてうかがいます。あなたにとって、その秒数でしか100メートルを走れないことは問題ですか?」
まぁ、そんな目標を持つわけないからリアリティーがないんだけどね。たとえば、あなたに10歳の太郎君という息子さんがいる。太郎君には同じクラスで恋敵の一郎君というライバルがいる。太郎君はある日、帰宅早々にお父さんであるあなたにこう聞きました。
「父ちゃん! 来週の運動会で親子リレーがあるんだよ。ボクが最初に50メートル走って父ちゃんにバトンを渡す。そのあと父ちゃんが100メートル走ってゴールっていうレースなんだ。でね、同じクラスの一郎君には絶対に負けたくないの。だけど、一郎君のお父さんは国体に出たこともある元陸上選手なんだって。ねぇ、でも、父ちゃんも足速いから、ボクたちきっと勝てるよね?」
うん、この状況のほうがいいや。どうよ? マジでヤバイよね。負けた日には父ちゃんのメンツ丸つぶれだよ。どうするよ? ね、目の前に大きな「問題」が立ちはだかったでしょ。そうなんです。実は、問題とは「相対的」なものなのね。じゃあ、なにと相関関係があるかというと「目標」ですよ。目標と問題は常にセット。100メートル「記録なし」のオレが、「息子との親子リレーでライバルに勝つ」という「目標」を持った瞬間に「問題」が現れるって仕組みなのね。
はい、これが男塾的「問題とはなにか?」の答えです。
「問題とは、ある目標を立てたときに想定される、“最高にうまくいった結果”と、“もっとも起こりそうな結果”との間にある差、その差を引き起こそうとしている現在の事柄」
ちょっとわかりにくいかな? 100メートル親子リレーに当てはめてみると、すぐにピントくるはず。
問題とは…
ある目標を立てたときに:「息子との親子リレーで、元国体選手を父親に持つライバルに勝つ」
想定される”最高にうまくいった結果”:「見事、一郎親子に勝利!」
“もっとも起こりそうな結果”:「惨敗……。帰宅後、息子は口も聞いてくれず……」
との間にある差:「見事勝利! と惨敗……。の間にある差」
その差を引き起こそうとしている現在の事柄:「一郎君の父親は元国体選手で足が速いが、自分は100メートル記録なしの鈍足であること」「その事実を知りながら、いまだにトレーニングを始めていない自分がいること」「レース本番まで一週間という短い期間で、大幅に秒数を縮めなくてはいけないこと」などなど…。
ね、「問題」というやつの正体が見えたでしょ。
ここからがおもしろいのだけど、問題と目標がセットである限り、「目標が高ければたかいほど、問題の質量は増す」って法則が成り立つわけ。目標が「親子リレー」だったら、そうね、11秒台くらいで走れれば問題は解決するでしょ。でも、最初に書いた無茶なヤツ「次の東京オリンピック」だとしたら、遅くとも10秒台前半、できれば9秒台でないと問題は依然として目の前に居座り続けている。あたりまえのようだけど、けっこう不思議なものだなと思うよ、問題ってヤツは。
さて、「企画の実現」とはそこに書かれている「理想の状態」を目指すことでしょ。つまり、「企画とは目標」といってもいいわけね。というか、目標の書かれていない企画というのをときどき目にするけど、それは企画としては完全に失格なわけね。そのあたりは、「企画力」の章でみっちり説明するんだけどね。そう、企画には明確な目標が記されているはず。
すると、必然的に「最高にうまくいった結果」と「もっとも起こりそうな結果」が浮かび上がってくる。これは容易に想像できるよね。予定していた目玉の機能が完璧に実装され、PRも思い通りにうまくいく理想のパターン。反対に、企画書に書かれた魅力の10分の1も実現できず、そのためPRの売り文句も弱くなるという最悪かつありがちなパターン。後者を想定するのは簡単だね。
「もし、現状のままたいした努力もせず、知恵もそれほど絞らず、情熱も少なければどうなるか?」
を想像すればいい。その絵と、理想の絵の間にある差。これもわかるよね。あとは、
「その差を生み出そうとしている現在の事柄はなんですか?」
この質問に答えることで、企画の100パーセント実現に向けて障害となりそうな「問題」が浮かび上がるよね。あとはとてもシンプル。その問題をどうやってやっつければいいかだよね。もし、その「差」を引き起こそうとしている現在の事柄、すなわち問題をすべて解決したとしたら、間違いなく企画は理想どおりに花開くわけ。
ここまで来てようやく結論が出せるんだけどね。実行力とはなにか?
「実行力とは目標によって生じる問題をすべて見つけ出し、それを確実に解決する能力」
もっとシンプルにいうならば、「問題解決力」だよね。そして、この問題解決力はより具体的に3つの能力に分けられる。まずはこれ。
1)チームやプロジェクト、会社にとって最適な目標を設定する能力
すでに書いたとおり、目標の高さによって問題の質量は変わってくる。目標を低くし過ぎると、問題や障害も少なくなるけど、結果として理想からはほど遠いものしか生まれない。逆に、目標をあまりに高いところに設定すると、自分たちでは解決不可能な問題ばかりに直面することになり、やっぱりいい結果は出せない。「落としどころ」をどこにするかが勝負の分かれ目になるんだね。
はい、次。
2)現状の問題を1つ残らず挙げる能力
問題解決力の中でもっとも難しいのがこの部分。我々はそもそも、問題に向き合いたくないという本能を持っているからね。「挙げてみて」といって簡単に出てくるような代物じゃない。多くの会社が抱える問題の本質がここにあったりするんだよね。ね、挙げなきゃ解決できない。でも、どうすれば出てくるかわからない。ジレンマだよね。
で、最後ね。
3)挙がった問題をシステマチックに解決していく能力
これもヤバイそうだよね。この解決策というのは、すべて「アクション」になっている。だれかがなにかの行動を起こさないとならないわけね。だから、余計に難しいんだね。すでに日常の業務があるでしょ。問題解決をやろうとすると、その上に新たな仕事が1つ、2つ、3つ、10と増えていくからね。感情的にやってたらとてもじゃないけどうまくいかない。だから、「システマチック」って言葉を使ってるのね。
というわけで、これが男塾新章「実行力」の概要ね。ワークショップでは、10のステップを実際にやってもらうことで、問題解決力をゲットしてもらおうと思ってる。けっこうハードなワークなんだけどね。間違いなく現場でそのまま使えるから、ぜひ、しっかりマスターして会社に持ち帰ってほしいな。うん、今日はこんな感じかな。
そういえば、いま、コンサルをやっている会社で同時に2つの「際立つ企画」が動き出しているのね。どちらも、ものすごく魅力的で斬新で、本当に「世界初」になりそうな感じがしてる。今日の話でいうと、目標がめちゃくちゃ高めなのよ。平均年齢20代の若い会社だから、もうめちゃくちゃ前向きでね。世の中の変わり目だから、そのくらいのチャレンジはあたりまえなんだろうけど、やっぱり道のりは険しいね。もう、毎日が膨大な数の問題解決ですよ。でもね、これがまた楽しくてね。1人でも多くの人にJOYでWOWな問題解決力を伝えたいと思っているよ、オレ。(おわり)


[...] 終わってみると、予定の時間を約1時間も過ぎているほどでした。「なるほどなぁ」と思いましたね。以前、「男塾@ブログ」で、問題について書きました。 [...]