『プロフェッショナルの流儀』特集〜② 本気の「ならず者」になる
会社の福利厚生かなんかで、「来週の金曜日、社内ボーリング大会をやります!」って案内がメールで送られてきたとする。あなたはどんな反応をするか? 「うぉー、めっちゃ楽しみー」といえる人はどのくらいいるかな。まずいないよね。つーか、いなくてあたりまえ。オレだって「だりぃーなぁ」と思っちゃうもの。できれば、参加せずにすませたいのだけど、協調性のないヤツと思われるのもシャクでしょ。困っちゃうよね。じゃあ、どうして、社内ボーリング大会を心から喜べないのか。今日はここから始めてみようね。
答えは簡単ですよ。「ぬるそうだから」だね。おそらく、目的は「社内の親睦を深める」みたいなものだろうから、そもそもぬるくていいんだろうけどね。勝っても負けても、得られるものも失うものも少ないってのが気にいらねぇやな。もしね、そのボーリング大会の優勝賞金が100万円だったらどうよ。それもね、参加者全員が1万円ずつ出し合うのよ。で、1位のヤツが総取り! これなら燃えると思わない? 他の人はどうか知らないけど、間違いなくオレなら「本気」になるね。
そう、この「本気」ってやつが、仕事を楽しくするかつまらなくするかの鍵なんだね。
ところがね、会社とかの現場に行くでしょ。そこでこの「本気」に出会うことって本当にまれなんだよね。なんでだと思います? おそらく、多くの人の頭の中で「本気=損」って公式がインプットされているからじゃないかとオレは思うわけ。おもしろいでしょ? でも、間違いなく「本気」という言葉や行動にネガティブなイメージを持っている人のほうが多いと思うな。
学校でも会社でもなんでもいいのだけど、なにかに本気になるとするでしょ。勉強、スポーツ、仕事、音楽、絵画、書道、ソロバン。恋愛もそうかな。その結果、なにが起こるか。「人より頭ひとつ飛び出る」んだね。もっというとね、ある平均的な和があるとするでしょ。本気のヤツはそいつを乱してしまうわけ。「そこそこ」って意識の集団、「中流」って意識の集まり、「みんな同じくらいの能力」って教室。そういう、ある意味、平和なバランスの中に、ポツンと「異邦人」が現れたような感じね。
そうするとなにが起こるか。「出る杭は打たれる」ってヤツだよね。せっかく、穏やかに暮らしていた住民から一斉に「やっかみ」や「ねたみ」のエネルギーを放射されて、村八分やらシカトやら、ひどいときには追放なんて目に遭ったりもする。そんな目に一度でも遭おうものなら、「本気になるなんて、とんでもない」って学習をしてしまうよね。当事者じゃなく、それを見ていただけの人も、「明日は我が身」とばかりに本気に近寄らないようになっちゃう。
別のパターンもあるよね。運良く、「本気」に寛大な集団があって、その中でなにかに一生懸命、取り組めたとする。ところが、この世は不思議なものでね、本気でやればなんでもうまくいくかというと、決してそうではない。失敗したり、思うような成果が出せなかったりすることも多々ある。で、「ああ、あんなにがんばったのに、どうして結果がだせなかったんだろう」って落ち込んでいる隣でね、たいしてがんばりもしなかった人が涼しい顔していたりする。「なんだよ。本気になるとバカを見るだけじゃん」って、ここでも変な学習しちゃうわけね。
でもね、最初のボーリングの例しかり。昨日の高層ビルの綱渡りしかり。命がけで、魂が震えるような思いをしなければ、本当の感動って味わえないのよ。これはもう、議論の余地もない。仕事を生き甲斐と思いたいなら、まずはそいつに本気で向かっていく姿勢があるかないか、これが試されるわけ。
そこでね、まずは、数々の「本気で損した」っていう苦い記憶をキレイに洗い流すわけ。でもって、「そこそこ」「平均」「中流」みたいな意識のぬるい集団とは、こちらから縁を切ってやるのよ。そうね、「EXILE」すなわち、「ならず者」になっちゃうのね。おそらく、この先、自分が本気でなにかに取り組む姿を見て、「あいつはウザイ」とか「CKY」(超空気読めない)とかいわれるでしょ。関係ないよね、もうならず者だから。「上等だよ!」って開き直っちゃえばいい。
そういうならず者道は、孤独を感じるかもしれないから、できれば、たった1人の理解者をパートナーに持っておきたいね。恋人、結婚相手。世界で唯一の理解者。これだけで鬼に金棒だって。あとは思う存分、暴れましょう。目の前の仕事に全勢力を注いで、一心不乱に信じる道を突き進む。これこそが、真のプロフェッショナルだと思うぞ、オレ。(おわり)

