真剣なバカが不況を救う
うん、今日もコメント来てますねぇ。Taizoさん! いつもありがとう。「仕事をやっていく以上、面接などで選ぶ基準は”一緒に仕事をしたいかどうか”ということが最重要です」。そうね、一緒に仕事をしたいかどうかは気になるところだよね。たとえば、JOYWOWの掟、7か条には「一緒に食事をしていて楽しいヤツ」ってのがある。これに近い感覚なのかもね。ただし、前回も書いたように、これが「好み」や「趣味が合う」みたいな基準だと、やっぱり「似たもの集団」になりかねない。
じゃあ、どこを見ればいいかだよね。オレの場合は「仕事に対する姿勢」だと思うな。実際にJOYWOWには6人の真打と、3人の二つ目、前座コンサル、それに加えて腹黒なご縁結び担当が1人の計10人がいるのだけど、趣味趣向はまったく違うし、センスもバラバラ。普通に見て「一緒に仕事がしたい人か」と聞かれたら、うーんと考えちゃう感じなんだね。でも、やっぱりそこには共通点がある。それが、「仕事に対する姿勢」のように思うのね。みんな、なにかをやるときには真剣になれるヤツばかり。基本的にぬるいことはいわない感じがするね。
あと、バラバラの個性を持った人間を1つの方向に向かせるためには、これも前に書いたけど「思いの共有」が不可欠。目的やそれによって得たいものはバラバラでかまわない。ある人はお金のため、ある人は自分自身の経験を積むため、またある人は目立ちたいから、などなどね。そこを揃えようとすると、我が強い人間はイヤになっちゃう。そうでなくて、「だれのためにどういうものを創り上げるのか」を一致させることね。これさえできれば、一緒に仕事がしにくい人ともちゃんとやっていけると思うよ。
さて、今日は「バカ」について書いてみようと思う。どんな話だと思う? じゃ、「続きを読む」をクリックしてみてね!
まずは、「いま」という時代について。大企業から中小企業まで、ハンパじゃなくキツイ状況が続いているよね。とくに、有名大手が発表した赤字額を見てると、目玉が飛び出るよね。何千億とかの金額だからね。1円でも利益を出した企業がものすごく優秀に思えるほど、ドツボにはまっているわけだ。オレの心の師匠でもある雀鬼、桜井章一氏の著書に、「バブルの時代は10本あるくじのうち、8本から9本の当たりがが入っていたようなもの。いまは1本か2本しか当たりがない」と書かれていたが、まさにそのとおりだと思う。
けーちゃんことJOYWOW阪本によれば、現在のビジネスのやり方というのは、明治時代に作られたもので、その本質は今日までなにも変わっていないのだそうだ。つまり、期限切れ、寿命の過ぎたやり方を漫然と繰り返してきたツケが、今日の不況を招いているんじゃないかと。で、その突破口を開くには、もはやちょっとやそっとの改善ではダメで、けーちゃん曰く、「不連続」のアイデア、これまでの流れとは一線を画するような画期的なひらめきが必要だということなんだね。
オレも、けーちゃんの説に大賛成。まさにその通りだと思うよ。オレ流にいえば、「レボルーション」、革命的なことが期待されてるんじゃないかと。じゃあ、その「不連続」とも「突然変異」ともいえるぶっ飛んだアイデアってどうやれば出せるのか。そのあたりに思いを巡らせてみたいんだな。オレ的には2つの方面で改革が必要だと思う。それは「個人」と「組織」だね。
まずは「個人」から。どちらかというと、勝負の行方の90パーセントは個人が握っているとオレは思う。まず、なにをしなきゃいけないかというと、
「できない理由を探すのをやめて、小さな一歩を踏み出す」
だね。これに尽きる。オレは「企画」というテーマでコンサルやワークショップをやるとき、必ず、あることを伝えるようにしている。これをやらないと、絶対にいい企画はできないというコツね。つまり、
「企画を発案する最初の段階ではあらゆる制限がないと想定する」
ってこと。会社でなにかをやる場合、基本的に「リソース」と呼ばれるものに制限を受けるよね。まずは、予算。次に、人手。最後に、時間。さらに付け加えるとするならば、コネクション、すなわち人脈もあるかな。頭のいい人に限って、これらのリソースの制限を最初から超えないように企画を創るクセが付いてしまっているんだね。なぜだろう? それはね、
「リソースの制限も考えないバカなヤツと思われたくない」
からだよね。企画を発表するときに、「おまえ、その予算どうするのよ?」「それってどれだけの人手がかかるの?」「この短時間でできるわけないじゃん」といった突っ込みを入れられたくないわけさ。その反対に、「そのくらいの制限はちゃんと読めてますから」と思われて、優秀ぶりを発揮したいんだよね。だから、オレは優等生が嫌いなのよ。自分がかわいくてたまらないんだからね。
オレ流の企画発案はこの真逆ね。「大風呂敷を広げる」ってところから始まるわけ。もう、有り余るほどの金と人材と時間とコネクションがあるという前提で発想する。東京ドーム貸し切って、ゲストにスティーブ・ジョブス呼んで、音楽はローリング・ストーンズ。まぁ、このくらいのことはあたりまえと思わなきゃダメ。金をかけるという意味ではなくね。つまり、予算が100万円のイベントだとする。それでも、ジョブスとストーンズを企画書に入れちゃうくらいの度胸がほしいってことよ。
で、当然のことながら、そんな企画を創っちゃうと問題と障害の嵐が吹き荒れるよね。そこで、重要なのが「小さな一歩」なんですよ。そのために、必ず、自分自身にこの質問を投げかける。
「どうすればそれが実現するか?」
ね、これだけでいいの。予算は100万円。そのイベントに「どうすればスティーブ・ジョブスを呼べるか?」。普通はこんなこと考える前に、「できない理由」を考えるよね。これも頭のいい人の得意分野。まるで、できない理由を探すために生きているかのように頭を大回転させちゃう。「ジョブスがうちのような無名の企業のためにはるばるアメリカから来るはずがない」「来るとしてもギャラが安すぎる」「彼のような多忙な人間がうちのスケジュールに合わせてくれるわけがない」「そもそも宿泊してもらうホテル代だけでも予算の半分くらいは遣う」。まぁ、出るわでるわだよね。
とにかく、まっとうな道しか頭にないからそうなるわけさ。ジョブスにそれ相当のギャラを払って、一流ホテルのスィートルームに泊まってもらって、空き時間に観光とかも案内して、飛行機はもちろんファーストクラス。それだけの予算が必要で、そのうえ、スケジュールが空いていることが前提。これじゃ、実現する可能性はゼロ以下だよね。まぁ、お人好しというか、いま流行の草食系というか、勉強できるヤツはこれだからつまらん。
そんなまっとうな道は横に置いて、とにかく「ゼロ円でジョブスを呼ぶにはどうすればいいか?」って考え始めてみようよ。「小さな一歩」はなんだろう? まずは、彼のことを徹底的に調べてみたらどうだろう。調べてみるだけだから予算なんかいらないよね。あらゆる文献やウェブサイトを見まくるか、もしくはアップルを取材してもいい。ヤツがどんな人間か趣味趣向やクセや、いま気になっていることなんかを洗いざらい探っちゃう。CIAにでもなったような諜報活動に近いよね。
もしかしたら、わずかな隙というか光明が見えるかもしれないよね。たとえば、彼が無類のフグ好きだとする。下関のあらゆるフグ料理店を調べまくって、日本のその店でなければ絶対に食べられない絶品料理を探り当て、写真やなんかをいろいろ添えて、フグ提灯とともに、こんな手紙を送る。
「私どもは○○という小さな会社です。このたび、○○というイベントを行うことになりました。つきましては、ぜひ、あなたにご登場願いたいのです。残念なことに、予算はまったくありません。飛行機代もホテル代も出せません。その代わり、世界でたった1つの絶品フグ料理をごちそうさせていただきます」
もしかしたら、来ちゃうかもしれないよね。考えてみてよ。彼ほどの有名人だから、ギャラが高いとか、忙しいとか考えがちだよね。じゃあ、本人の気持ちになってみようか。自分はもう有り余るほどのお金を持っているわけ。ギャラの額とかホテルのスィートルームじゃ心は動かないでしょ。そこで、「お金じゃ手に入らないもの」を提示されて、それが喉から手が出るほどほしいものだったらどうよ。ちょっとやそっとの約束とかは全部、キャンセルしてでも、自腹でも行きたいと思わない?
ローリング・ストーンズの場合は、さすがに問題や障害はでかいけどね。でも、やっぱり不可能じゃないとオレは思うぜ。ちなみに、彼らを1時間パーティーに呼ぶと、3億円のギャラが必要だそうだ。それをタダでやっちゃうにはどうすればいいか。ミックの弱みでも握って脅迫でもするか? って冗談じゃなくて、それが名案ならやってしまおうって心意気の問題だよね。
まぁ、かなり極端な例を書いちゃったけど、一般的にはジョブスやストーンズの千分の一くらいの問題でも「できない理由」を考えちゃうってことね。そのくらい、制限を先にかけてから企画に取り組んでいるわけ。これじゃあ、画期的なアイデアなんて出るわけがない。スタートが普通なんだからね。もう一度、繰り返すよ。まずは、
「企画を発案する最初の段階ではあらゆる制限がないと想定する」
ですよ。で、次ね。この状態でもまだ甘いのね。もう1つ大事なことがある。これですよ、これ。
「バカになってくだらないアイデアを出しまくる」
大まじめですよ。実際に、オレはコンサルの現場では必ずこれをやってもらってる。先日、NHKの『プロフェッショナル〜仕事の流儀』で紹介された木村俊昭氏。彼は市役所の職員として小樽の町おこしに成功し、異例の抜擢で内閣府企画官になったというスゴイ人。その彼が小樽でやったくだらないアイデアに、「スナックのママを集めて小樽の名所に案内する」というのがあった。狙いはなにかというと、スナックに来たお客さんに「あそこに行くといいわよ〜」とママに広報活動をしてもらうというものなんだね。
いやー、目の付け所がスゴイというか、なんというか、マジで地元のスナックのママにいわれたら、次の日、行っちゃうね。なんといっても、このくだらないアイデアを本当に実行できたってのが尊敬に値するんですよ。普通は、会議の笑いものになって終わってるでしょ。どうよ、「くだらない」パワーってのがおわかりいただけたかな?
じゃあ、なぜ、くだらないアイデアがスゴイのか。これも先の制限と似ているところがあるのだけどね、優等生はある常識の枠を自分で作っちゃう。「市役所の企画でスナックのママはまずいでしょ」みたいにね。民間の会社でもそう。「それは少々、下品でしょう」とか、「それはやりすぎでしょう」みたいにね。もっとよくないのが、「前例がないからねぇ」ってヤツね。競合他社が先にやったら、「うちもやれる」みたいな感じでね。勝手に殻を作ってその中にこもってる感じだよね。
ね、最初にリソースの制限があって、その先に常識の殻がある。こんな状態で不連続で画期的なものなんて出るわけがないよね。さらに、深読みするならば、真剣さが足りないってこと。石にかじりついても、少々の無法でも、だれかに「いくらなんでもそれはないでしょ」っていわれても、とにかくスゴイものを生みだそうって気迫が足りない。だから、まっとうな道に安住していられるわけ。危機感がないっていうのかな。10本のうち、当たりが9本あった時代ならそれでもいいのだけどね。いまは1本なんだぜ。
今日はしつこく書きますよ。「個人」における3つの重要なポイントね。
1)「企画を発案する最初の段階ではあらゆる制限がないと想定する」
2)「バカになってくだらないアイデアを出しまくる」
3)「できない理由を探すのをやめて、小さな一歩を踏み出す」
で、こいつらに沿って企画を考えた結果、とても常識では実現できないってものが生まれたとする。「おめでとう!」とオレはいいたいね。そこで、怖じ気づいたらすべてがムダになる。本当の勝負はここからですよ。で、そのときにやるのが、これね。
4)「どうすればそれが実現するか? だけを必死に考える」
こうして見てみるとね、こういうことができる人って、やっぱり一般的に見たら「バカ」だよね。ほんと、バカ。で、いまの時代、会社を救えるのはこの「バカ」なんだな。もう、バカしかいない。優等生はいらない。真面目なヤツももっといらない。真剣になれるバカだけで十分。で、「バカとはどういう人か」って突き詰めていくと、「子供心を持っている人」じゃないかと。ね、邪心がなくて自分の発案したアイデアにピュアに向き合える人だよね。でもって、優等生になるには時間がかかるけど、バカ、子供になるには一秒あればいい。「よし、オレはバカになるぞ!」っていえば完了ってわけ。
はい、その次ね。そのバカを抱える組織について。まずは、「うちの会社を救えるのは真剣なバカだけだ」って認識を持つことね。でもって、さらに重要なのは、
「トップダウン型からボトムアップ型に改革する」
ってこと。バカで素敵なアイデアは個人からしか生まれない。そのうえ、その無鉄砲な企画を実現させるという根気と智恵のいる仕事も、「発案者」が必死にならなきゃできやしない。1人の人間の「あきらめない思い」が会社を救うんですよ。カリスマ経営者がいくらがんばったってダメだってことが証明されているよね。もう、現場の1人ひとりを信じるしかない。いかに彼らがのびのびと、自信を持って働ける環境を作るか、経営陣はそれだけを考えていればいいと思うね。
そのうえで、次のステップはこれ。
「チャレンジして失敗しても評価する」
難しいけどね。これが実現しないとだれも動けなくなる。イチローだって3割しかヒット打てないわけ。当たりが10本に1本しかなければ、打率1割でも普通じゃない。これが2割だったらもう素晴らしいよね。最高に評価されるのは、「チャレンジして成功した人」。でも、次に評価されるのは「チャレンジしないから失敗もしない人」じゃなくて、「チャレンジして失敗した人」じゃなきゃいけない。これを会社のカルチャーにできたら、次々と勇敢なチャレンジャーが登場するよね。
もちろん、「失敗しても許される」状況を作るには、それなりの工夫は必要だよ。いきなり、ドーンと製品化するのではなくね、小ロットで地域限定の販売をやってみるとかね。いわゆる「Plan-Do-See」はしっかり機能させなくちゃいけない。結果を真摯に受け止めて、即座に修正を重ねていくようなフットワークの軽さね。
最後にもう1つ。もし、あなたが「真剣なバカ」にいち早く変身したとする。で、さっそくバカなアイデアを出して、最初の一歩を踏み出しました。はたして、周りの人たちは快く応援してくれるか? 答えは、はっきりいうけど、絶対に「NO」です。応援どころか、誹謗中傷、大バッシングの嵐だよね。「もう、迷惑だからやめてくれ」って感じだと思うよ。そこで、あなたはどうするか。まぁ、ある程度、落ち込んだり傷ついたりするのは覚悟しておいたほうがいいね。
ただし、だからといってその歩みを止めてはいけない。周りを説得するようなこともしないほうがいい。時間のムダだからね。それよりも、「情熱」と「信念」を持って、自分が信じた道を一歩ずつ誠実に歩けばいい。人間は捨てたもんじゃないからね。必ず、あなたのそのひたむきな行動に心を動かされる人が1人、2人と現れる。そうしたら、それが以前、どれだけひどい言葉を投げかけたヤツらであっても、快く迎え入れようね。
あとは、自然にその輪が広がっていって、少数派だったあなたは、いつのまにか主流になっていくはず。大切なのは「温度」だからね。絶対に自分だけは冷めないって決意でやれば大丈夫。で、そういう祝福の時期っていつごろ来るのか? これがとても不思議でね、オレの経験からそれを計る方法をお伝えしておくね。
「もうダメだって、身も心も疲れ果てあきらめかけた、そのちょっと先」
これを忘れずに覚えておいてほしいな。本当に不思議なんだけど、「もう限界だ!」のちょっと先なんです。神様が答えをくれるのは。マラソンでいうならば、42.195キロを走り終えて、ヘトヘトになった状態であと1キロか2キロ走ったあたりだね。ここが実現するかしないかの勝負の分かれ目になってるわけ。うまいことできてるよね。で、「もうダメだって」思ったときは、バカの代表である「天才バカボン」のパパがいつもいってる「これでいいのだ!」を口に出して、あと1キロ走ってみるといいと思うよ。
はい、今日はこんな感じかな。そういえば、数時間前、オレはとても貴重な体験をしたよ。この数日の間、30日のライブに向けて猛練習をしているのだけど、楽器を弾くというのはやっぱり肉体労働なわけで、とにかく肩や首や腰や背中がバリバリに凝ってくるのね。それが辛いのなんのって、昔からの悩みだったのね。そうしたら、今日、そんな肉体疲労の限界って中である曲を歌ってたら、ちょっと自分の演奏に感動している状態になってね、脳内麻薬みたいなものが出てるのがわかったのよ。背筋がゾクっとして、鳥肌が立つような感覚ね。その瞬間だよ、体中のコリがスーっとひいていって全快しちゃったんだよね。マジでかなりびっくりしたよ。「そうか、楽器を弾いて肩が凝ってるうちはまだまだ甘いんだ。本当にいい演奏ができたら自分自身を癒すこともできるんだ!」っていうのが今日の発見。これって、きっと、演奏だけじゃなくて、あらゆる仕事であり得ることじゃないかと思うね。ポイントは脳内麻薬。それが出るように仕事すればいいってことじゃない? このあたり、ちょっと追求して次の男塾に生かそうかなんて作戦も練り始めてるよ、オレ。(おわり)

