エネルギーの話

はい、おかげさまで、男塾 第三章、満員御礼となりました。ほんとに、ありがとうございました。このシリーズはこれで最終回だけど、すぐに第四章をやる予定だし、もしかしてご要望があれば、第二章『プロフェッショナルの流儀』あたりも、もう一度、やってみようかなと思ってる。ご希望の方は、コメントでリクエストくださいね。お待ちしてます。

そうそう、それから今月の30日には「JOYWOWツアー」という楽しいイベントもあるよ。第一回は「松匠創美」という建築事務所が提案する「木の家」がテーマ。第一部は、ショールームを見学しながら、「人間としての豊かな暮らしとはなにか?」について、けーちゃんことJOYWOW阪本が松匠創美の方々と熱く語る。でもって、第二部は! なんとこのオレのライブでっせ! これまで5年くらいの間、女性ボーカルとのユニットで活動してきたのだけど、今年はソロで行くと決め、この日がそのデビューライブというわけ。いま、毎日、本番に向けて猛リハーサル中。オリジナル曲、ボサノバのスタンダード、それからとっておきのカバーとして、マイケル・ジャクソンのあの名曲! めちゃくちゃ気合入れて演奏するから、超期待していてください。

で、そのあと、第三部はけーちゃんとオレのトークライブ。けーちゃんとは10年以上のつきあいになるけど、2人でトークやるのは初めてなんだよね。これもめちゃくちゃ楽しみだね、オレ。場所も「山ふく」というけーちゃんの『HOPE』にも登場した小粋な家庭料理屋でね、まぁ、絶対に楽しくて「なにかを感じられる一日」になるはずだから、ぜひ、遊びに来てください。こちらはまだ空席ありますよー

でもって、Yutaさん。お久しぶり! あなたのコメントを待っていましたよ。感受性が強いというか、感覚が鋭いというか、オレはYutaさんの言葉が大好きです。「生物学的に男になったり女になったり繰り返したとしても、その全過程が、“自分という性”というひとつのストーリーなのかな」。うん、この人の言葉はいつも広がりがあって、とても大きなものを見据えている感じがしますね。前回も「宇宙」的なメッセージをもらったしね。今回も見事にインスバイアーされました。そこでね、今日のテーマはね、「エネルギー」ってのはどうよ。いってみましょうか。

前にも書いたけど、この世は「目に見えるもの」と「目に見えないもの」でできている。アインシュタインの相対性理論で説明できる「マクロ」な世界は、どちらかといえば目に見えることが多いし、量子力学が解き明かそうとしているミクロな世界は、「確かにそこにある」にも関わらず、我々の目には見えないよね。ものすごく身近な「心」や「魂」なんてのも、間違いなく存在を感じるけれども、その実体を見ることはできない。多くの人は、その目に見えないものを、見えないがゆえに無視して生きているのだけど、見えないだけで確かにあるのだから、その影響からはどうしても逃れられないわけ。

そんな「見えないもの」の1つに「エネルギー」というのがある。それも、動力や熱なんかの一般的なエネルギーじゃなくて、ヒトのエネルギーね。わかるかな? オレたち人間にもエネルギーって確かにあるでしょ? 元気なときはエネルギーに満ちあふれている感じがするし、やりたくないことばかりやらされて、ストレスとか溜まりまくってくると、「ああ、もうエネルギーが残り少ない」って思ったりしない? それも、おなかが空いているときのような、いわゆる肉体的なエネルギー不足じゃなくて、「精神的なエネルギー不足」を感じるときがありませんか?

ね、絶対にあるよね。オレも以前はものすごく精神的なエネルギー不足に悩まされていたことがあるよ。いまでも、ごく稀だけど、やっぱりあるかな。さて、では、どうして我々はそういう心のエネルギーを失ってしまうんだろうか。オレはね、いろいろ経験しているうちに、ある1つの答えにたどり着いたのよ。それはね、

人間は他人からエネルギーを盗むことができる

ってことなのね。わかる?

たとえばさ、「不機嫌な人」っているじゃない。コンビニの店員とかタクシーの運転手さんとか、役所の人ね。民営化前の郵便局とかもひどかったよね。そうそう、巨大な映画館のカフェテリアとかもそうかな。注文を迷うと露骨にイヤな顔してね、「コイツ使えねぇ」みたいにこっちを見るんだよね。彼らはどうして不機嫌なのか。たぶんね、最初は不機嫌じゃなかったんだと思うのね。毎日、毎日、イヤな客と接しているうちにそうなっちゃったんだろうと。うん、まずは客が悪いのよ。

コンビニに来る客、タクシーに乗る客、役所に来る人たち。郵便局なんかでも気の毒だなぁと思うシーンを何度も目撃している。たとえば、あるお年寄りがね、「お金をおろしたいのよー」って言ってる。局員の人が必死に「それは、定期預金だからダメなんです」と説明する。それでも、おばあちゃんは聞く耳持たずで、「でも、おろしたいのよー」を繰り返す。オレが見ていた20分くらいの間、ずっとそれの繰り返しだからね。まぁ、自分だったらキレるよなぁとか思って見てたよ。

とくにね、団塊の世代と呼ばれる男連中がひどい。彼らはなぜか知らないけど、「階級意識」みたいなものを持っていてね、店員をものすごく見下すわけ。「店員ごときが」みたいなことを本気で口にしちゃうんだよね。彼らがいま、日本でもっとも礼儀知らずな連中だとオレは思ってるよ。でね、そういう人たちと接しているうちに、どんどん、自分のエネルギーを吸い取られてしまったんだね。で、そのままだと生きていけないから、復讐を企てる。「不機嫌」という復讐だね。で、なにをしているかというと、

不機嫌を装うことで、相手のエネルギーを奪っている

のよ。わかりますか? 職場とかでもよくあるんだよ。やたら不機嫌に働いている人ね。彼らも目的はまったく同じ。なにかの理由で心のエネルギーが不足してしまったのね。で、どうやって自分のエネルギーを充填していいかわからないから、自然と不機嫌になって、それを見てイヤな気持ちになる周りの人からエネルギーを吸い取っているわけ。

恋愛関係や夫婦、あるいは家庭内だったらもっと頻繁に起こっているでしょ。デートの最中にまったくしゃべらなくなって、「どうしたの?」って聞いても、「別に」とかいってね。まぁ、よくわからないけど、不機嫌にしているわけ。世の夫婦なんてもっとすごいよね。オレにいわせれば「エネルギー争奪バトル」だよね。「ただいま」「おかえり」なんて挨拶もまったくなく、不機嫌に帰宅する旦那。それを不機嫌に迎える奥さん。食事中もテレビを観るだけで会話もナシ。エネルギーが欠乏した同士、残り少ないそれぞれのエネルギーをまだ奪い合おうとしているわけ。

不機嫌のほかにもエネルギーを奪う方法はいくつかある。ストレートに文句をいうとかね。罵声を浴びせるとか、叱りつけるとかもそう。あとは「無視」ね。シカトですよ。学校や、大人のくせに職場でも、「シカト」ってやるでしょ。あれはもう、集団でエネルギーを奪い取っているに違いないよね。おそらく、人間の世界で行われるありとあらゆる「イヤなこと」というのは、99パーセントがこのエネルギーの奪い合いなんじゃないかってね。

はい、そこでですよ。まずは、防御策を考えなきゃいけない。なんてったって、さまざまな人間関係の中で生きているわけだからね、我々は。油断大敵ですよ。最初のステップは「知る」ことね。これはとても簡単。つまり、

ある人と接しているうちに、”ああ、とても疲れる”と感じたら、その相手はあなたのエネルギーを盗んでいます

ね、これを思い出してください。不思議なことにね、「あ、こいつオレの(わたしの)エネルギー盗ろうとしてる」ってわかるとね、体が自然にエネルギーの放出を防いでくれるんだよね。わかればいいの。気づかずに真っ正面から接してしまうと危険。で、できたら、「盗られないようにがんばろう」って思ってほしいのね。そうすれば、もう完璧。結果として、「相手にしない」って感じになってるからね。

さらに、次のステップはこれ。

そういう疲れる人、すなわちエネルギーを盗るタイプの人とはなるべくつきあわないようにする

ってことね。触らぬ神に祟りなしですよ。神じゃないけどね、本当は。近寄っちゃダメ。もしね、職場の上司とか、どうしても近寄らざるを得ない人だったら仕方ないから、さっきの方法で「受け流して」ね。もし、可能なら、教えて上げた方がいい。「あなたはわたしのエネルギーを奪っていますよ」ってね。びっくりするよ。生まれて初めてそんなこといわれたんだからね。たぶん、なんらか変わってくれるんじゃないかな。

で、3つ目のステップ。ここまでできたら、次は自分ですよ。

わたしは人のエネルギーを盗らないと決める

これがとても重要。これまで書いてきたようにね、エネルギーというのは「争奪戦」になる。復讐だよね。自分が人のエネルギーを奪えば、相手は不足した分を取り返しにくる。ほら、議論とか言い合いとかあるじゃない。相手が「カチン」とくることをいったとするよね。そのとき、あなたはどう思うか。間違いなく、「どうやって言い返してやろうか」を必死に考えるよね。もし、言い返せたらそれなりに気が晴れるし、そうでなければ家に帰ってもイライラしてる。つまりは、奪われたエネルギーを取り返せたら安心するし、そうでなければ欠乏状態で消耗するというわけ。

つまり、多くの議論やけんかも「争奪戦」だってこと。なので、自分は絶対に人のエネルギーを盗らないと決めることが、奪われないことにもなるんですね。復讐のサイクルを自分で断ち切るということね。『ペイ・フォーワード』というオレの大好きな映画があるんだけど、1人の少年が「善意の受け渡し」を考案するのね。誰でもいいから3人にいいことをしてあげる。で、その人に「また3人にいいことをして」とお願いする。で、気がついたら全米中にその運動が広がっていたって話。まぁ、おとぎ話のようなものだけど、おもしろいから機会があったらDVDで観てみてね。その反対のことをやるわけ。復讐の連鎖を断ち切るってことね。

さて、第4のステップ。これがとても重要ね。

人から盗らずに、自分のエネルギーを満たす方法を見つける

うん、これだよね。欠乏するから人から盗っちゃうわけさ。それだと復讐の連鎖になってしまうから、自給自足を考えるのね。方法は本当に個人差があるから自分で見つけるしかない。ヒントはね、やっぱり「好きなことをする」だよね。おいおい、「好きなこと」が人の悪口とかはダメよ。それじゃ、ステップゼロに逆戻りだからね。楽しいことやりましょう。魂が喜ぶことね。あと、「」はいいよ。人を心から好きになる。それだけでエネルギーがふつふつと沸いてくるよね。

美しいものを見るってのもいいね。とくに、自然はかなりのエネルギーをくれるよ。緑や花、青い空や太陽でもいいし、海、山、絶景ね。真夜中におぼろに光る満月なんて最高よ。オレはどちらかというと夜行性で、バンパイヤみたいなもんだから、満月を見るとものすごくエネルギーが満たされる。そうそう、30日に披露する予定の新曲は「Silver Moon」っていう月を題材にしたオリジナルなんだぜ。

あとは、音楽、映画、演劇、美術館。人間が生み出した美しいものね。前にも書いたけど、「シルク・ドゥ・ソレイユ」なんか超オススメだね。先週観た「コルテオ」でも想像以上のエネルギーをいただいて帰ってきたよ。ライブもいいねぇ。生はやっぱりすごいよ。そうね、きっと生演奏とか生演劇なんてのは、演者からエネルギーをもらっているんだろうね。だから、演じる方はすごくエネルギーを使うんだろうな。でもね、この場合はそれが仕事だし、観る側はお金や歓声や拍手をあげているのだから、復讐の連鎖とは全然、違うよね。ある意味、素晴らしい形のエネルギーの交換かもしれないね。だったら、堂々ともらってくればいいのさ。

はい、そしてそして、エネルギー術の最終ステップ。ここまでいけば世の中も平和になるんだけどね。少なくとも、このブログを読んでくださるみなさんは、ぜひともやってみてほしいな。それはね、

自分の余りあるエネルギーを多くの人に分けてあげる

ってこと。自給自足ができるようになると、これがやれるんですよ。困っている人、疲れている人、死にそうな人(肉体的にじゃなくてね)、そういう人たちに愛を持って、自分にできることをする。話を聞くでもいいし、なにかの言葉をかけるでもいい。そばにいるだけでもいいかもね。やってみるとわかるけど、これも本当にエネルギーを消耗することなんだね。だって、その愛が相手に届いたってことは、エネルギーを渡したってことだからね。疲れるに決まってる。

でもね、ステップ4ができるようになったら、あげてしまった分は自分で補給できるでしょ。だから、大丈夫。一晩寝れば元気に復活するからね。でもって、この最終ステップが実行できたら、とても素敵なご褒美が待ってる。それがなにかは、あえてここでは書きません。映画のエンディングをバラすようなものだからね。それに、そのご褒美を目的にしちゃうと、またおかしなことになってしまうから、秘密にしておくね。まぁ、本当に素敵なご褒美だから、楽しみにしてやってみてください。

はい、こんなところかな。今日は、『デトロイト・メタルシティー』という邦画をDVDで観たよ。最近の日本映画はおもしろいねぇ。ハリウッド系は映像はすごいけど、中身は日本のほうがイケてると思うね。こいつも楽しかったよ。もう、かみさんと2人で笑った、わらった。渋谷系の音楽にあこがれる青年が、なぜかデスメタルの世界に引き込まれる話なんだけど、渋谷系の描き方が最高なのよ。一般的にはオシャレな音楽とされているんだけどね、その薄っぺらいこと。まぁ、どのくらい薄っぺらいかは実際に観て、自分の目で確かめてください。で、オレとかみさんの結論。もし、この世に渋谷系とデスメタルの2種類の音楽しかなかったら、どちらのファンになるか? 答えは「100回生まれ変わっても、絶対にデスメタル!」。そう言い切れる自分が気持ちよかったよ、オレ。(おわり)

Comments (4)

Taizo165月 14th, 2009 at 5:53 PM

ZONOさん、こんにちは、Taizoです。

エネルギーの大きさは、人それぞれ違い、大きい、小さいがあると思います。

受け流せない、どうしても、関わらないといけない場合、自分のエネルギーの許容量

が大きいと、多少吸い取られても、びくともしないという体制を自分で作ることも必要ではないでしょうか?

許容量をあげるのには、美しいものを見るというのもあるでしょうけど、吸い取られてみてみるという経験が
大きくするというのはあると思いますが?

受け流せない、どうしても関わらなければいけない場合、たとえば、自分の部下だったり、子供の場合、
どのように対処すればいいとZONOさんはお考えですか?

noriko5月 18th, 2009 at 11:11 PM

ZONOさん、こんにちは。ノリコです。
今度の土曜日、男塾にて修行しますのでよろしくお願いします。

最近私、元気なんです。エネルギーにあふれてる。
毎日、レモン1個を搾って水で割って飲むことを
4月始めに何気なく始めたんです。
気が付いたら、身体がすごく元気なんです。
生のレモンからいただいているエネルギーが元気の源かと。

身体が元気になると、心のエネルギーも満タン。
すごく自然に前向きで、やりたいこともいっぱいあって、
いろいろひらめいちゃって、
どんな困難も立ち向かっていけちゃいます。
前は「あともう一歩」というところで力尽きていたことも、
今はガンガン攻めていけます(笑)。

今視界に入っている、不機嫌オーラで
周りのあちこちから精神的なパワーを吸い取る彼に対しても
「陰陽師」のごとく、触らず当らず、
ポジティブパワーで、動きを封じ込める作戦も(笑)。

身体のエネルギーって、心のエネルギーと
ものすごーーーくつながってるんだなって思います。

土曜日には元気いっぱいでお会いできることを楽しみにしています。

由歌利5月 19th, 2009 at 4:43 PM

最近、ZONOの文章が読めなくて、さみしいなー。つまんないなー。
(愛読してくださっているみなさんの心の声を代弁)

せっかくなので、質問もしていこうっと。

(1) 「漢にとって’外見を整える’とは?」
(2) 「漢の粋道とは?」

では、更新を楽しみに待っています♪♪♪

Yuta5月 19th, 2009 at 10:12 PM

ZONOさん、こんばんは。

>「わたしは人のエネルギーを盗らないと決める」
この言葉にドキッとしました…自分が盗られるエネルギーについては「あの時盗られたな」と思い返すのが簡単なのですが、自分がエネルギーを他人から盗ったんじゃないか、と振り返るのには勇気が要ります。そしてこの決断にも…。

エネルギーの自給自足と、それを他人にわけること…、他人にエネルギーを分けること自体、ひとつの「エネルギーの自給自足」になるようにも思いました。

自分がエネルギーに満ち満ちてるときは、だいたい周囲がエネルギーに満ち満ちていることが多いような気がしてきました。
自分も元気、相手も元気な状態が、お互いのエネルギーをどんどん高めるという好循環を作ると思いました。
そして、いつも相手に依存していないで、自分から相手を元気にする…ということが、好循環にとってすごく大事なことだとも思いました。

エネルギーが少ないときは、どうしても、自分の目先の、どちらかというと悪いことばかり目に付いてしまう気がします。
そういう時は、なるべく目を空に向けて、自然からエネルギーをもらおうと思いました。

ZONOさんは、実際にこのブログを通して「自分の余りあるエネルギーを多くの人に分けてあげる」を実践されていますよね☆

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