逃げちゃダメだ!
おお、やっぱり来たか。JOYWOWの由歌利さんからだよ。しかもだよ、「漢(おとこ)として生きるために最も大切にすべきこと」だって。昔ね、編集者をやっていたときに、よく海外のIT企業のCEOとかにインタビューをしたのだけど、こういう質問をすると、相手は必ず、「Oh! It’s a big question!」といって困っていたものだ。まさに、ビッグ・クエスチョンですな。
まぁ、男塾の根幹に関わる問題でもあるので、ちゃんと書きますよ。そうね、本当はたくさん項目を挙げて書きたいのだけど、「もっとも大切にすべきこと」だからね。1発で答えなきゃ漢が廃るというもんだ。正直、今日1日、どう書けばいいかいろいろと思いを巡らせました。そうしているうちに、もう一度、男塾というものを見直すいい機会を得られたね。由歌利さんありがとう! じゃ、いってみるかな。
「漢として生きるために最も大切にすべきこと」。この問いに答える前に、もう1つ手前の「漢(おとこ)とは?」を定義しておかなくちゃね。実は、これ、このブログの最初に書いていた。もう一度、引用しようかな。『男塾誕生秘話「1人で立つ!」(後編)』より……、
「漢とは“1人で立っている”ってこと」
だね。詳しくは、バックナンバーを読んでみて。ここでは簡単に触れておくね。「1人で立っている」とは「なにかに依存していない」ってこと。両親、上司、部下、同僚、恋人、結婚相手、仕事、お金などなど、「これがなくては生きていけない」ってものがない状態。まぁ、現実には依存がゼロという人間なんていないから、もう少しリアルに書くとするならば、「自分がなにに依存して生きているかをしっかり認識していて、できればそこに頼らずに生きていこうと努力している人」。男塾では、これを「漢」と呼んでいる。
ここがすべての出発点として、その「漢」が「漢として生きるために最も大切にすべきこと」はなにか? オレの答えはこれ!
「逃げないで真っ直ぐ正直に立ち向かうこと」
これに尽きるかな。
たとえば、オレは「つまらない大人」って言葉をよく使う。「つまらない大人にはなりたくない」「つまらない大人になっちゃダメ」みたいにね。もちろん、とてもネガティブな意味です。じゃあ、どうすればつまらない大人になれるか。おそらくね、最初に「智恵」がある。智恵を付けるということね。これがつまらない大人の第一歩。知恵が付くとどうなるか。真っ直ぐ正直に立ち向かうことによって起こる、さまざまな軋轢や面倒なことを、「サラ」っとかわせるようになるね。
野球でいうならば、「変化球でかわす」みたいな感じかな。職場でよく聞かないかな? こういう会話。
「おいおい、あの○○部長に真っ正面から文句をいってもダメだよ。下手すると、他部署に飛ばされるよ。会社ではうまく世渡りしていかなくちゃね。そんなに目くじら立てなくても給料なんてたいして変わらないんだから」
「あいつ1人だけがんばって残業なんてするからさ、オレたちがまるで仕事してないみたいにいわれるんだよなぁ。ほんと、勘弁してほしいよ。今期はもう目標の数値に達しているんだから、あとは軽く流せばいいのに。ったく、迷惑なヤツだよ」
ね、世渡りという智恵、損得勘定という智恵。いい大学出て、知識だけ身につけて、自分は人より賢い、うまく立ち回れるなんて思っていると、「かわし」ばかりが得意になっちゃう。不思議なものでね、こういう風に生きていると「のぺー」とした顔になっていくんだよね。「つまらない大人」、一丁あがり! というわけ。
「リスク」という言葉があるよね。なんというか、オレの嫌いな言葉ベスト5には入るんだけどさ。「risk」という英語から来ているんだけど、訳は「予測できない危険」てな感じかな。まずね、漢はこのリスクにどう対処するかというとね、先に書いたとおり、「逃げないで真っ直ぐ正直に立ち向かう」わけ。もっというならばね、「リスクを請け負う」んですよ。「上等だよ!」っていいながらね。
じゃ、世間ではどうか。もう1つ、オレの大嫌いな言葉とセットにしちゃうんだね。「ヘッジ」(hedge:予防線をはる。避ける)ですわ。「リスクヘッジ」するわけ。「予測できない危険に予防線をはる」、もしくは「予測できない危険を避ける」のよ。もっと平らにいうとね、「リスクがあることには手を出さない」って生き方を選んじゃうのね。
オレはね、正直いってこういう生き方がまったく理解できないんだな。だってさ、「予測できない危険」なわけよ。それを避けるってどうやって避けるんだ? ていうか、あらゆる事柄には予測できない危険が伴うわけだから、とどのつまり、「なにもしない」ってことか? まぁ、実際にそうやってなにもしないって決めてるヤツいるけどね。なんというか、「シマリス」のような弱々しい生き様だよね。漢の正反対って感じがオレにはしてならない。
話は変わって、自分に目を向けてみましょうか。
「あなたは自分にプライドを持っていますか?」
ね、こういうことを自らに問うというのはとても勇気がいることだよね。オレはどうかといえば、持っているときもあるし、そうでないときもある。正直にいってね。で、そうでないときはどうかというと、結構「楽な感じ」なのよ。「どうせ、オレなんて」とか思いながらね、日々を軽く流して生きられる。もしも、すぐそばに同じようにプライドの欠けらもないヤツがいたりするとね、さらに楽だね。「ああ、こいつもオレと同じく、流してる人間だな。そうそう、それでいいんだよ」って思えるからね。
で、ふと立ち止まってもう一度、自分に尋ねてみる。「おまえは本当にそれでいいのか?」ってね。もちろん、オレの魂は「本当はこんなのイヤだ!」って泣いている。そこで、グッと腹をくくって「今日、この瞬間からプライドを持って生きる!」と決意を新たにする。「自分の状態から逃げない」って決めるんだね。はい、そこからは再び、イバラの道ですわ。漢道の始まりですわ。
仕事はどうかな? 自分の仕事ぶりね。これも、正直いって逃げたくなるよね。だってさ、自分の仕事ぶりって自分がイチバンよくわかっちゃうじゃない。他人の目なんてあま甘なんだよ。だってそうでしょ。会社に8時間いて、そいつがどれだけ本気で働いているかなんて他人にはわからない。それなりの結果が出てれば、「あいつはまぁまぁ、よくやってるよ」なんて評価されちゃうわけさ。そこで、道が2つに分かれるのね。もっとも厳しい「自分」という評価に沿って本気で仕事をするか、「他人」というごまかしのきく評価に合わせて適当に流すか。漢がどちらを選ぶかはもういうまでもないよね。
夢はどうよ? 「自分が本当にやりたいこと」なんてものに目を向けた日には、それはもう大変だよ。それまでの平穏無事な生活が、嵐の真っ只中に変わっちゃう。コツコツ積み上げてきたものも壊してしまうかもしれないし、周りのヤツらから「バカ」といわれるかもしれない。リスク? がいっぱいだよ。逃げちゃうほうが楽だって。「夢なんて大人が見るものじゃない」とか、もっともらしいこといってね。
恋はどう? 石川さゆりさんの『天城越え』という名曲がある。いつ聴いても、オレが心底ドキッとさせらる歌詞がこれ。
隠しきれない移り香が
いつしかあなたに浸みついた
誰かに盗られるくらいなら
あなたを殺していいですか
(作詞:吉岡 治)
怖いよねぇ。こわいけど、素敵だよね。ここまで愛されてみたいと、オレは思う。なんて書いちゃうのは、実はうちのかみさんにとても失礼なことで、彼女は若いころ、こんなことをいってオレをビビらせていた。
「もし、ZONOが浮気したら、“わたしが至らないばかりに、申し訳ありませんでした! 死んでお詫びいたします!”っていいながら、その場で包丁を胸に突き刺して死ぬから」
ね、ヤバイよねぇ。もう、本気で恋愛せざるを得ないよね。さすがに、あれから20年近く経って、いまでは少し落ち着いたようで、「もし、ZONOが浮気したら、函館のトラピスチヌ修道院に入って、一生、恋愛とかと無関係で生きるから」といっている。
人を好きになるというのは、命がけなんですよ。きっぱり言い切るけど、それが正しい姿。でも、そういうのって重いじゃない。だから、思いもそこそこ、愛情もそこそこ、ライトな恋愛というのがトレンドになったりするわけだよね。漢と恋愛すると、面倒くさいよね、きっと。けれども、本気の恋がしたいなら、男も女も「漢」でなくちゃダメ。自分の思い、相手の思いから逃げない覚悟がある「漢」じゃなくちゃね。
かくのごとく、「漢」とは険しく、面倒で、それはそれは厳しい道のりなのです。しかし、その道はとても清々しく、凜(りん)としていて、自分をリスペクトでき、他人も尊重でき、胸一杯の愛をやりとりすることができる「超しあわせ」な道なのです。クール、クレバー、ライト、損得勘定、そういった言葉の対極にあるもの。ホットでバカで、重くて損ばかりする。けれども、決してそこから「逃げない」。これこそが、「漢として生きるために最も大切にすべきこと」だとオレは信じています。
どうよ、由歌利さん。これでいいかな?
そうそう、昨日、前からちょっと書いていた『JOYWOW教科書』の初稿ができあがったんだよ。当初、7人のシニアコンサルタントが7つずつのネタを出し合って、49項目にする予定だったのだけど、すでにもう倍近くに膨れあがっている。みなさん、とくに若い人に伝えたいことが山ほどあるってことなんだね。現時点での章立ては7つ。まだまだ、編集は続くから変わってしまうかもしれないけど、こんな感じ。
第一章:しあわせに生きるために LIFE
第二章:真のプロフェッショナルになるために WORK
第三章:夢を実現するために DREAM
第四章:ミラクルなアイデアを発想するために IDEA
第五章:イケてるコミュニケーションをするために COMMUNICATION
第六章:素敵な恋をするために LOVE
第七章:お金とうまうくつき合うために MONEY
ね、なんかよさげでしょ。7人のメンバーが本気で伝えたい言葉を綴った力作だからね。もうすぐ完成する。完成したら、JOYWOWのサイトで通販する予定だから楽しみにしていてね。今日から10日間くらいが制作の山場で、どこまで本気で魂を入れられるかが勝負の分かれ目。逃げずにがんばるよ、オレ。(おわり)


ZONO塾長、すっきりしました。
逃げずにまっすぐ立ち向かってこそ、胸いっぱいの愛をやり取りすることができる。
確かに、そうだ。逃げたらもともこもない。仕事も愛だもんね。
5月23日の男塾、ぜひ、参加者のみなさんを交えてここを語ってほしいな。
「漢(おとこ)」を目指したい方、まだ少しお席があります。早い者勝ち!