始める前から始めておく
いやー、ちゃんと質問を送ってくれた方がいましたね。ゴールデンウィークということで、ほんと、家からほとんど出ずにくつろいでいましたが、これはちゃんとお答えしなければいけませんねぇ。しんさんからのリクエストはこんな感じ。
「プレゼンするとき、最初の第一声が苦手だったりします。
よく見せようとか思ったりしてるからだろうと思っているのですが(汗)
どんな場面でも落ち着いて喋れるというのか、心得みたいなものがありますでしょうか?」
うん、いい質問だよね。いわゆる、日常のコミュニケーションというのは、「自分 vs 特定の人」だよね。ところが、プレゼンテーションなんかの「人前でしゃべる」となると、「自分 vs 不特定多数」という図式になっちゃう。それが社内プレゼンのような、普段はよく知っている人たちであっても、やっぱり不特定多数の感覚に襲われるんだよね。おそらく、しんさんの場合も、そういう機会がかなり多いんじゃないかと。で、「第一声」でしょ。わりと場数は踏んでらっしゃるようですね。いろいろと、深い話になりそうで楽しみです。じゃ、いってみるかな。
まずね、基本編としてはすでに書いた『しゃべりのプロになる』をチャックしてみてね。たぶん、今回のしんさんの質問にもっとも関連があるのが、「聞き手を含む」って項目かな。このあたりをもう少し掘り下げていくと、こんなところに行き着く。
「聞き手は敵か味方か?」
ね、第一声だよね。オレも経験があるけど、おそらく、こんな心境になっているんじゃないかな。
「今日のリスナー(プレゼンを聞く側)は、どんな反応なんだろう。好意的に受け取ってくれるだろうか。それとも、ネガティブな感じで聞くのだろうか。そもそも、この会議自体、早く終わってほしいなんて思っているんじゃないか」
一言でいえば「不安」の固まりだよね。そこで、ちょっと「プレゼン」の意味について考えてみたいと思うんだな。そもそも、プレゼンってなに? なんのためにやるんだろう? どうでしょう。みなさんの答えは? オレはこの話を本当にいろんなところでしていて、「企画」「プレゼン」「行動」の3つに分けてこんな風に説明している。
企画とは:「強い思い」を綴ったもの。
プレゼンとは:「強い思い」を実現するための賛同者、協力者を巻き込むためのもの。
行動とは:賛同者、協力者とともに「強い思い」を現実にするためのアクション。
つまりね、最初に「強い思い」ありきなんだね。多くの人がこの「思い」を持たずに企画を創ってしまう。ここが最大の落とし穴になっちゃうんだね。企画を現実のものにするために「思い」はなくてはならない最重要課題なんだよ。まず、自分の企画書を見直してこう自問してほしいんだな。
「そもそも、オレは(わたしは)この企画を実現することでなにが起こればハッピーなのか?」
ってね。たしかに、企画自体を実現することが目的なんだけど、その先がある。ただ実現させるだけじゃ意味がない。その先、たとえば新しいスニーカーだったら、「履くこと自体、おしゃれでかっこいい。そのうえ、それまで体を動かすことが苦手だった人も自然に外に出たくなって、なおかつウォーキングなんかやってみようかなって気になる。ナイキもアディダスもなし得なかった“生活改善型スニーカー”の創造」なんてどうかな。
とにかく、その思いの中味が読んでいるだけで「ワクワク、ドキドキする」ものでなきゃダメ。そういう思いが沸き上がらない企画はやらないほうがいい。で、もし、そういう「強い思い」があるのなら、パワーポイントの1ページ目か2ページ目あたりの冒頭にそれを綴った方がいい。大きなフォントで堂々と書き上げてほしいな。中味は少々、手を抜いてもかまわない。でも、この思いを綴る部分だけは本気で書く。これが大事ね。
でもって、次は当然、プレゼンだよね。そこで、これまでのプレゼンの定義を大改革してみる。多くの場合、プレゼンをこういう風に捉えているよね。
「自分(たち)の立案した企画を承認してもらう場」
これだと、最初から「聞き手は敵」になっちゃうよね。承認をもらう相手というのは常に厳しく、細かいところまで「重箱の隅をつつく」ように突っ込んでくる。そういうイメージあるでしょ。いやーな感じするよね。先の「企画」「プレゼン」「行動」の3つの定義は全然、違うでしょ。プレゼンとは、
「”強い思い”を実現するための賛同者、協力者を巻き込むためのもの」
なのよ。承認されるとかされないとか、そういう次元じゃない。そのはるか先に本来の目的がある。そこで、冒頭に思いを綴ったパワーポイントを見せながら、第一声はこうやって始める。
「まず、この企画に賭けるわたしの思いをお伝えしたいと思います。その思いとは○○○です(ここは綴った内容ね)。ぜひ、この思いを実現させるために、ご協力いただければと思います。企画の中味をご覧いただければわかると思いますが、これを実現させるためには、多くの問題や障害があると予想されます。とてもわたし1人(もしくは我々の部署)だけで解決できる代物ではありません。どうか、それぞれの分野の専門の方々にお力添えをいただけますよう、よろしくお願いします。では、企画を発表させていただきます」
ね、これを伝えることで、あるパラダイムシフトが起こっているんだね。つまり、「プレゼン=承認の場」における「企画立案者」と「承認者」の関係は「敵」同士だよね。ところが、こちらが承認者を「賛同者」「協力者」と勝手に変えてしまうと、敵は「企画を実現させるために障害となる問題たち」になるでしょ。ここが大きな変化なんだよね。「一緒に問題を解決していきませんか?」といわれて、「いやオレはできないよ」なんていえるお偉方はいないって。そう、彼らはすでにプレゼンテーターの味方、仲間なんです。
もっとそれを強調したいなら、こう付け加えるといい。
「本日発表する企画の中味にも多くの穴があると思います。それも、おそらくこの思いを実現するための問題や障害となるでしょう。ぜひ、お気づきの方はご指摘をお願いします。この場で、わたしが気づかなかった数々の問題が挙げられることを期待しています!」
これで決定打だよね。普通は、いろいろ突っ込まれて「承認できねぇよ」ってことになるんだけど、この場はまった違う。その「突っ込み」が企画を前に進めるための前向きなアクションになっちゃうんだからね。手厳しく指摘されたら「おお、そうだ。ありがとうございました!」って感謝すればいい。相手も意地悪になれないよね。「なんかオレ、いいこといったみたい?」とか思って気持ちよくなっちゃうかもしれない。
ただね、これは戦略とか企画を通すテクニックとして捉えてほしくない。これが本来の会議の姿なんだからね。参加者は同じ目的のために集まっているはず。でもって、出された企画はできるだけ前向きに、ポジティブに進めなければダメ。ただね、普通の会社はそういう風に動いてないから、これを読んでくれた人たちからそれを始めればいい。そういう思いで書いているのね。全部、本気でやってくださいね。
で、次いきます。「第一声」でもう1つ大切な心得ね。これはオレがライブでいつもやっている型でもある。なにをするかというと、
「始まる前から始めておく」
ってことね。禅問答みたいでしょ。でも、中味はいたってシンプル。たとえば、ライブでいうなら、どこがイチバンやりにくいかというと、やっぱり「最初の1音」なのね。ステージに上がる。チューニングとか簡単なセッティングとかして、BGMが落とされる。スポットライトが当たる。で、最初の1音。ここを「始め」とするから、やりにくくなるんだね。まわりはシーンとしてるでしょ。「ジャン」って弾き始めるきっかけとか、心の準備とかいろいろやり場にこまるわけだ。
そこで、楽屋にいるときから演奏を始めてしまうわけ。もちろん、実際には弾けないから、心の中のイメージでやるんですよ。最初の曲、一曲目をステージに上がる前に始めておく。もし、許される環境だったら本当に歌い始めてもいい。心の中で歌っていてもOKね。で、そのまま歌いながらステージに向かって、イスに座ってもまだ歌い続けているのね。セッティングもチューニングも全部、心の中で演奏を続けながらやる。「すでに始まっている」状態で最初の曲を弾くわけ。とてもスムーズに入れるんだねぇ、これが。
プレゼンの場合もまったく同じですよ。まず、会議の参加者が集まる5分前には会議室に入っておく。PCの準備とかするでしょ。そのときにしゃべり始めるのよ。心の中でもいいし、人がいなければ本当にしゃべってもいい。「えー、本日はお集まりいただきましてぇー」みたいなお決まりの挨拶とかね。で、1、2人と部屋に集まりだしても、その心のしゃべりを止めない。くだらない枕話とかしてればいい。「いやぁー、今日は本当に晴天に恵まれてしあわせです。まさに、この企画を発表するにふさわしい好天に恵まれましたねぇ」とか、「ところで、今年の楽天は強いですねぇ。もしかした、本当に優勝しちゃうかも」とかね。
で、そのままの流れですんなりと、第一声を発するわけさ。まぁ、これはやってみないとピンと来ないかもしれないけどね。オレを信じて実行してみてくださいよ。たぶん、うまくいく。いや、絶対にうまくいくといっておこうかな。もう一度、書いておきます。「始める前に始めておく」だからね。
はい。しんさん、こんな感じでいかが? ほかにも質問あったら書いてみてね。これ、おもしろいからゴールデンウィーク終わっても随時、受け付けることにした。ほかのみなさんも、どんどんリクエストしてね。なんか、JOYWOWの身内が読者を装ってゴールデンウィーク中もじゃんじゃん質問書くなんていってたけど、全然、来てないねぇ。つーか、みんな休み中にパソコン開くのいやなんだろうと思うよ。ま、いいや。身内はどうでもいいから、ほんと、思いついたら書いてみてね。つーか、リクエスト来ないと書くネタが思いつかなくて困っているのさ、オレ。(おわり)


身内はどうでもいいっていわれると、つい書きたくなる。
ようやくPCを開いたので、質問しておこーっと。
「漢として生きるために最も大切にすべきこと」
・・・は、なんでしょうか?
Zonoさん、こんにちは、しんです。
お返事ありがとうございます。
そう、聞き手は敵ではなく、味方なんです。むちゃ分かります。なんせ貴重な時間を割いて話を
聞きにきてくれているんですから。だからより良い関係性を持ちたい「欲」が出てきたりもします。
まさにhttp://www.joywow.jp/wpoj/archives/151 このままでした。
・欲の多さ(深さ)=緊張の度合い
よく一般的な(形式的な)プレゼンうまい人、先生業の方はこうあるべきだ的なスタイルを
#ポイントはこれとこれさえ出来ればOK的な「受験勉強の試験に出るとこ形式」。
聴講者や自分自身も求めているのかなと思いがちでしたが、あまり得意ではありませんでした。
なんか恥ずかしいと言うか、キャラでないような気がして。
また、http://www.joywow.jp/wpoj/archives/151
・「結果がどっちに転ぼうと、オレの知ったこっちゃない」
・「普通の言葉でしゃべる」
・「始まる前から始めておく」
を見て、なるほど! こういうやる方もありなんだなと。自分に似た、あったスタイルと言いますか、
私自身、よく言われるのが「プライベートも仕事も喋り方や説明の仕方が一緒ですね」って。
特に
・「結果がどっちに転ぼうと、オレの知ったこっちゃない」はかなり印象的でした。
確かに、こう思うと気が楽になりますね。
そもそも自分が楽しい、イケてると思っているやってるのに、他の評価は二の次で、
まず自分OKならOKかと。
早速、今からやってみます。
それと、「JWトークライブvol.12」http://www.joywow.jp/information/archives/482
のところで「考えない」これも良かったです。
考えすぎると、よろしくない(ネガティブ)傾向にいくのは、ほんとそう思います。
そもそも考える前に「感性」ありきだと思います。「感性」でOKならまずやったら良いのでは?と
個人的に思ってます。やりながら考える。
#無意味な劣等感を抱くことで、作ることややることを、サボっちゃだめ。
#恐れず動くこと。→オレ。
と言うことで、男塾参加申し込みします。
行動の第一歩になればと。