思いを形にする方法

いやー、先週末はちょっとブログさぼってしまいました。いつも読んでくれてる皆さん、ごめんねぇ。まぁ、ちょっと忙しかったというのはあるのだけど、男塾では「忙しいをできない言い訳にしない」という鉄の掟があってね、さすがに塾長自らそれを破るわけにはいかないので、口が裂けてもいいません。不徳の致すところですね。いま書いているこいつを先週の分にして、さらにもう1本書いて月曜日の分にすれば、穴を開けずにすむとか、フォロー策を考えたのだけど、なんか借金が貯まっていく一方みたいな感じになっちゃうから、やめといたよ。

というわけで、今週から心を入れ替えてガンガンいきたいと思います。そうそう、またコメントいただいてますね。本当に励みになるよ。ありがとう! まずは、毎度おなじみのYoshさん。「リーダーの条件」に書いてくれました。そう、「1)正直であること」「4)潔く前言を撤回できる」の2つが○ならたいしたもんですよ。あなたは立派なリーダーの素質を持っています。ちょっとくらい失敗しても、かわいい部下たちが「フォローしたいよね」とかいって助けてくれるタイプじゃないかな。

で、「偉大なる素人集団」に書いてくれたのが、初登場のあやさん。こちらも女性ですね。うれしいっス。「今頃なんでこんなテーマでディスカッションしなきゃいけないんだよ。。というようなテーマで時間の無駄ちゃうかと思っていましたが、どうやら私に大きな意味があったみたいです」。うん、これがいい感じだと思ったね。おお、その会議は今日だね。そこでね、このコメントを見ていて浮かんだとっておきを今日は書いちゃおうと。ちょっとお休みした分も含めてがんばります!

まずね、あやさんも感じていたいように「時間の無駄」と思えることって、「大きな意味」があることが多いという話。これは、「プロセスと結果」の話にも通じるね。男塾では「結果とはプロセスの一部である」としている。まぁ、これもちゃんと説明すると長くなるから、また別の機会にやるとして、今日は「プロセスはとても大切」ということで話を進めるね。

多くの企業は「結果こそすべて」という姿勢で仕事をやろうとする。「結果さえよければプロセスなんかどうでもいい」という極端な人もいる。で、どうなるかというと、「スピード」「効率」みたいな価値観でしか仕事を見なくなってしまうわけね。『うさぎと亀』という有名な話があるでしょ。オレは、そういう効率重視みたいな現場を見るたびにこいつを思い出してしまうね。

これは自分の経験から得た教訓なんだけど、魂のこもった仕事をしようと思うなら、「亀のようにのろいプロセス」を覚悟しなきゃならないと思うな。あえてムダに時間をかける。それも、ものすごい「濃い時間」をたくさんかけるということね。1人でなにかをやる場合はそうでもないのだけど、複数の、しかも会社内といった「薄いつながり」でなにかを成し遂げるには、「亀時間」が必要なんです。

じゃあ、なににその時間を使うか。もちろん、これも重要よ。ムダな時間は必要なんだけど、時間を「浪費」してはいけない。サッカーでいうならば、ボールを横や後ろに蹴る時間はあまり必要ではない。あくまで、前に前に進めていくわけ。だから、「かけ時」を間違えたら、それは単なる「死に時間」だからね。オレがプロジェクトのリーダーになった場合や、コンサルなんかでアドバイスをする際にもっとも時間をかけるのは、

思いの共有

なんだね。要は、あるチームでなにかを実現しようとする。形のないものをゼロから創ろうとする。これはとてもタフな作業だよね。ものすごくワンマンで豪腕なリーダーがいれば、その人の頭ですべて考えて、スタッフはあとから指示に従うだけというやり方もできるのだろうけど、そういうリーダーはまずいない。いたとしても、そういう働き方はおもしろくない。だから、「思いの共有」をやる。やらなきゃ絶対うまくいかない。

チャレンジングな企画、つまり、これまでに例のないアイデアであればあるほど、実現までの道のりは険しいわけ。多くの場合、最初の企画までは出せるのだけど、日を追うごとに出現する問題や障害にめげてしまって、企画自体をあきらめるか、あるいはとてもつまらない「まっとうなもの」にねじ曲げてしまうかになってしまう。「心が折れる」というやつだね。

幸い、心の折れないメンバーに恵まれたとしても、いろいろいじっているうちに、当初、予定していたものとはかけ離れたものになることもある。まぁ、自然界の法則にもこれと同じようなものがあってね、「熱力学第2法則〜エントロピー増大の法則」というやつなんだけどね。熱いお湯は放っておくと「ぬるま湯」になるよね。つまり、この世のありとあらゆる「特別な状態」(エントロピーの低い状態)は「ありふれた状態」(エントロピーの高い状態)に移っていく傾向があるというわけ。

そういう不幸な道を歩まないためにも「思いの共有」は必要なんだね。じゃあ、実際の現場でどうするか。これが大事だよね。普通に会議とかやっても、これはなかなかできっこない。「思い」なんて曖昧なものを複数のメンバーで共有するのは至難の業だよね。そもそも、どうやってバラバラの思いを1つにまとめるのか。そこで、オレがいつもやっているステップを紹介しようと思うんだな。

STEP 1:全員にA4の白紙を配布し、「この企画にかける自分の思い」を書いてもらう。

まずはこれ。「思いを書け」といわれても、やったことがない人は困ってしまうかもしれないよね。そこで、最初にちょっとした例を出してあげる方がいいだろうね。以前、オレがお手伝いをした会社の例なんだけど、そこで、社員手帳を作ることになった。それも、社長の強い思いがあって、普通の手帳じゃなくて、「かっこいい手帳」が作りたいと。そこで、オレはいつものステップをやってもらった。そのときに決まったのがコレ。

使い古しても愛着がわいてきて、
休日でも携帯電話のように1日一度はなんとなく開いちゃって、
面白くて役に立ち、
困ったときには“バイブル”のようになって、
一般販売すれば1万冊以上売れる
おしゃれ雑貨のような手帳

こんな感じのことを書いてもらうのね。いわずもがななんだけど、思いは「だれの目にも魅力的」でなきゃダメ。つまらないこと書いたって意味ないでしょ。「この思いのためなら残業だって朝帰りだってやるさ」と思えるようなものって説明してね。で、先に進むよ。

STEP 2:それぞれが書いた「思い」をホワイトボードなどに書きだし、どれを採用するか決める。

採用の方法はいくつかある。人気投票みたいに多数決で選ぶというのもあり。人数が少なくて、出されたものにそれほどの温度差がなければ「全部まとめて採用」というのもあり。ちなみに手帳の場合は後者でやった。一行ずつがそれぞれの思いになっているんだね。6人分が入っているってこと。

STEP 3:採用したものをホワイトボードなどに書きだし、さらに加筆、編集を加えていく。

人気投票でやった場合でも、選ばれなかった人がここで自分の思いをもう一度、復活させるチャンスがある。「どうしても譲れない言葉」みたいなものがあれば、思いっきり主張して入れてもらう。ここは「ああでもない、こうでもない」といろいろ出し合う場面なので、それなりの時間をかけたほうがいいね。全員が納得する文章になるまで、加筆、編集をどんどんやる

STEP 4:決定した「思い」の文章を代表者が読み上げ、「これでいくぞ」と全員で気合を入れながら誓う。

ここで決まった「思い」は国でいえば「憲法」のようなもの。企画が実現するまでの間、全員がこの思いに従ってそれを創ると約束するわけ。で、重要なのは全員がこれに対して所有感を持つということね。「人が決めたこと」なんて思うヤツが1人もいない状態にしなくちゃだめ。STEP 3がその最大のチャンスの場だからね。全員が納得するまでもまなきゃダメよ。うまくいけば、だれもがこの「思い」に責任を持てるようになるからね。

STEP 5:企画実現のためにアクションを開始し、問題や障害が発生した場合、どちらにいくか迷った場合、必ず「思い」を読み直し、その方向に修正する。

手帳の例でいうとね、途中で手帳のカバーを革にするかビニールにするかで議論が分かれた。好みもあるし、予算の問題もある。しばらく話したけども結論が出ない。そこで、「思い」に立ち返る。すると、1行目に「使い古しても愛着がわいてきて」と書いてある。愛着がわくのはどちらかと考え直してみると、「革」という結論が自動的に出される。もちろん、それまでのビニール派もここに至って反対はしない。

あとは、手帳のコンテンツに関しての議論もこれによってスムーズにいったね。要は、「”1日一度はなんとなく開いちゃって”を実現するためにはどうするか」と考えればいいわけだからね。コレに対する回答として、「オフィス近くのランチマップ」というのが出された。スタッフが実際に30店舗ほどを食べ歩いて感想と評価の☆印を付ける。これなら、ランチのたびに開くんじゃないかってね。

最後にもめたのは、革のサンプルができあがってきたときに、ちょっと全体の印象が地味じゃないかとの意見が出されたときだね。好みによってはシックでいいなんて意見もあった。でも、ある人が「これじゃ、思いに入っている1万部は売れない」というひと言を発したときに方向が決まった。すでに、革だけで5色を用意していたのだけど、「それならクロコの型押しもラインアップに入れよう」と、急遽、業者を探しまくり、ド派手なクロコバージョンをさらに5色も加えた。

おそらくね、こういうことに慣れていないと、「思いの共有」をするプロセスをもどかしいと思ってしまうだろうね。「そういうのはいいから、はやくなにをするかを決めよう!」みたいに目くじら立てるヤツがいるはず。でもね、先にも書いたけど、実現までの道のりは長くて険しいわけよ。困ったとき、「どっちに行くんだっけ?」と迷ったとき、なにも共有しないで始めちゃったらまさに「闇の中」だよね。

なので、こういうプロセスをバカにしないで、しっかりと「ムダな時間」を費やしてくださいね。なんといってもね、それが実現したときに、メンバー全員でもう一度、この「思い」を読み直したときのその気持ちよさ。これも経験しないとわからないんだけどね。「ああ、いろいろあったけど、この最初の思いを貫き通したなぁ」って実感するとき、本当に仕事って素晴らしいなと思えるから。

はい、今日はここまでかな。これは本当にとっておきのネタだからね。そういえば、火曜日に配信されるJOYWOWメルマガでオレがコラム書きました。タイトルは「がんばれ、草なぎ剛!」。タイムリーでしょ。地デジのCMのクライアントである総務省がこの問題にどう対処すべきかを綴った話題作。って自分でいってますけどね。まだメルマガ申し込んでない人は、この機会に申し込んでね。あと、本日、アップされるJOYWOWトークライブのテーマは「恋」。これもおもしろいから聞いてみてね。で、オレもいろいろ話したかったんだけどね。ほら、オレの自宅で録音してるじゃない。かみさんがそれを聞いてるわけさ。その状態で「恋ばな」は難しいよね。でもって、今回はすっかりしゃべれなくなってます、オレ。(おわり)

Comments (2)

あや4月 28th, 2009 at 6:19 AM

ZONOさん こんにちは! 昨日の会議にこのとっておきBlogが間に合いました! ありがとうございます!!ミーティングの結果としては、ZONOさんの方法をそのまま試すことはできなかったのですが、「思い」を確認してみると、みんなの思いがかなり違っていました。参加者だけではなく、会議の進行側のリーダーたちの間でも。。会議自体は、「なんで今さら?」と思っている参加者が多かったみたいで、ちょっと悲しいミーティングでしたが、私にとっては「リーダーの役割」や「経験者的威圧的態度をやめてみる練習」「思いの共有の大切さ」を学ぶきっかけになりました!自分が仕切るようになったときには、今日の気持ちを忘れずに チャレンジしてみようと思います。

[...] 最初に、プロジェクトメンバー全員の思い、そして、ゴールの共有がきちんとできていないと、プロジェクトは頓挫する。逆に、ちぐはぐに見えたメンバー構成でも、この思い&ゴールの共有がうまくいけば、抜群にすばらしい結果を手にすることが出来るんだ。  ※男塾BLOG「思いを形にする方法」に詳しく解説されているので参考にしてね。 [...]

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