揺れない心
お、今日はJOYWOWの由歌利姐さんからコメントもらったねぇ。男塾の宣伝もしっかりしてくれて、いつも抜かりなしだね。コメントも冴えてるよ。
「まもり」は心を不安で満杯にしちゃうことなんだよね。
おもしろい! 今日はこれでいこうかな。「まもり」と「不安」ね。なにげなく日々を暮らしていると気づかないのだけど、オレたちは自分で不安の種をたくさん生み出して、それを一生懸命育てているように思うんだな。
本当は不安でいたくないはずなのに、どうしていつも不安を引き寄せてしまうのか。でもって、この不安というやつが、昨日も書いた「決断」をじゃまするじゃない。やっぱり、一度、不安と真っ正面から向き合ってその正体を見極めてしまった方がよさそうだね。正体さえわかれば、どんなものでも怖くなくなるからね。
最初はギャンブルの話から行こうかな。実は、オレの周りにはギャンブル好きが少ない。コンサル先の会社なんかで、たとえ話としてギャンブルを引き合いに出そうとするじゃない。で、一応、聞いてみるのさ。「この中でギャンブルが好きな人いますか?」ってね。まぁ、十中八九、だれも手を挙げないね。やっぱり、真面目というか優等生なのかな。かくいう、オレはギャンブル大好き! でもって、人生の勉強のためには大いにギャンブルすべしというのがオレの持論。
ジャンルはなんでもいいんだけどね、どうせ多くの人にとってあまり馴染みのない話題だから、非日常な感じでいってみようかな。ラスベガスに行こう。で、ちょっとおしゃれしてカジノに出発。予算は、そうね、10万円ってとこかな。ギャンブルの予算だからね、10万円は負けてしまってもいいってこと。それ以上はやらないと決めましょう。ゲームはブラックジャックでいこうかな。ルールは知っているけど、勝つためのテクニックとかそういうのはあまり知らないって感じでね。
はい、最初は5千円単位くらいで賭け始めます。このときの気分を予想してみて。どんな感じかな。まぁ、ちょっとはドキドキするけど、それほどビビるわけじゃないよね。なんてったって手持ちは10万円あるのだからね。余裕だね。で、なんかその日はばかヅキで、最初のベットから勝ちまくっちゃう。気づいたら手持ちは倍の20万円! じゃあってんで、一回の賭け金を1万円に増やしちゃう。それでも、ツキは変わらず、ここぞというところでいいカードを引きまくり! 3時間後にはなんと、儲けたお金は100万円にまでなりました!
はい、ここでみなさんはどうしますか? リアルにイメージしてみてね。
1)100万円の手持ちなんだから、賭け金を10万円にアップ!
2)もう十分だからホテルの部屋に帰る……。
おそらく、1)を選ぶ人は5パーセントくらいだと思うな。95パーセントは間違いなく100万円持ってホテルの部屋に帰るよね。というか本当はね、この話は途中が吹っ飛んでいてあまりリアルではない。おそらく、8割の人は手持ちが15万円くらいになったところで、「もう十分!」っていって帰っちゃうと思うな。そのあと、1割の人が20万円で帰る。100万円まで勝負できる人がそもそも5パーセントしかいないってのが本当のとこだろうね。
なんの話だかわからなくなってきたので、この辺で一度、まとめてみなきゃね。最初の気持ちを振り返ってみて、勝ち始めたときにその心境がどんな風に変わるか想像してみようか。たぶん、
「勝てば勝つほど、ドキドキして不安になって、怖くなる」
じゃないかな。おもしろいよね。ものすごく負けているのなら不安や恐怖に襲われるのはあたりまえだけど、勝てば勝つほどビビるってのはどういうわけなんだろうね。ここに我々、人間の思考の癖が現れちゃうんだよね。
「失いたくないものが増えればふえるほど、人は不安になって弱くなる」
ってことかな。もともと、「10万円は負けてもいい」って思って始めたんだよね。でも、気がついたら15万円、20万円と持ち金が増えていく。増えればふえるほど、当初の予算感覚なんて吹っ飛んで、
「この勝ったお金を守らなきゃ!」
という思いが強くなっていく。たぶんね、もっとも大胆に勝負できる場面というのは、マイナス5万円くらいのときじゃないかな。守るものがまったくないどころか、すでに持ち金の半分を失っているんだからね。なんとか取り返そうと、厚く張っていくよね。ヘタすると一度の勝負に2、3万円くらいいっちゃうかもしれない。これが昔からいう「ハングリー」ってやつだね。人が本当に勝負できるのは、なにかを得る前。悲しいかな、失うものがなにもないっていう、「マイナス」の状態のときなんだよね。
そろそろ、たとえ話からリアルな人生に場面を変えてみようかな。学歴、地位、年収、名声、結婚相手、世間の評判、子供の評価。我々は生きている間に、いろんなものを得ている。もちろん、そのために努力もしてる。裸一貫でこの世に生まれてきたときにはなにも持っていないのだけど、歳をとるごとにたくさんのものが手に入る。振り返ってみるとね、
「自分というお城を一生懸命に築いてきた」
って感じがしない? でもって、30代も中頃くらいかな、そのあたりになると、築くことよりも「守ること」のほうに気が行くよね。
たとえば、よくある管理職の話。彼はこれまで勤続10年、必死に働いてきた。その甲斐あっていまは部長。でもって、彼が日々、気にしていることといえば、「この地位をなんとか守る」ってことだけ。部下のことよりも、会社の利益のことよりも、とにかく部長という地位を堅守したい。いつも、自分の上司の顔色をうかがって、そいつが気に入ることをやろうとだけ考えている。いるでしょ? こういう管理職。
おそらく、彼の頭は降格という「不安」でいっぱいだよね。リスクのあるチャレンジなんて絶対しない。部下がそういう企画を持ってきたって絶対にボツらせるよね。それから、夫婦にしたってそう。「やっとの思いで結婚できました」なんて男はね、奥さんを失いたくないから、思ったことなんて口に出せやしないよね。昨日書いた「釣った魚に餌をやらない」の逆だ。気を遣いすぎてヘコヘコしちゃうタイプ。
こういう行動や思考、「得たものを失いたくない」って思いはやっぱり「欲深い」んだろうと思うね。オレにしたって、いま失いたくないものはたくさんあるよ。でもね、それを承知で自戒を込めていわせてもらえば、かなり「セコイ」んじゃないかと。なにかを得るまではチャレンジし続けるのに、得た瞬間に手が縮んじゃうっていうのは、やっぱりセコイし、かっこ悪いよね。少なくとも漢(おとこ)らしくない。
で、もう一度、これまでに書いたいろんな例を振り返ってみたいんだな。「失いたくないという不安」を持ったことで、結果はどうなったかをね。まず、ブラックジャック。本当は100万円くらい勝てるツキがあったにも関わらず、5万円勝ったことでビビったから、結局は損をしてるよね。よくある管理職の話。上司の顔色ばかりうかがって、部下はないがしろにするし、チャレンジもしないから、たぶん評価はボロボロだよね。奥さんにモノがいえない旦那。説明するまでもなく、夫婦仲はうまくいくはずないよね。
「失いたくない不安を持つと、なぜか失ってしまう」
ってことじゃないかとオレは思うのよ。神様は意地悪だよね。なにかを得ると「不安」になるって習性を与えておいて、不安になったら取り上げてしまうんだからね。じゃあ、我々はどうやって生きていけばいいのか。オレはこのテーマを本当に昔からずっと考え続けてきた。でもって、ギャンブルや仕事や恋愛の場でいろいろ実践してみた。まずね、
「揺れない心」
を持たなきゃダメかな。成功してもなにかをゲットしても、決して「揺れない心」を持つ。失敗したときよりもね、うまくいっているときのほうが心が揺れるんだよね。ほら、野球でいえば、パーフェクト寸前の9回を投げるときの投手の気持ち。トップで18番ホールに臨むプロゴルファーでもいいや。あとほんの少し! ってところでミスして大記録がパーって場面をテレビなんかでよく見るでしょ。あれは、成功に心を揺らしてしまった例だよね。
次にね、
「積み上げすぎない」
ってことをいつも忘れずにいることかな。得たものをね、大事にだいじに、だれにも取られないようにしまっておくようなことはしちゃダメってこと。ほら、よくあるじゃない。キレイな奥さんと結婚して浮気されたらイヤだから「おまえは家にいてくれればいい。オレが稼いできて守ってあげるから」とかいう男。まさに、積み上げ君だよね。
貯金もそう。親の葬式が出せるくらいの蓄えがあれば十分だと、オレは思ってる。貯めればためるほど、不安は大きくなる。「オレは今日までコツコツと積み上げてきたんだぁー」とかいう人がいるでしょ。そういう人を見ていて「重いなぁ」と感じませんか? ね、身動きが取れない感じがするでしょ。いろんなものを抱えすぎて、にっちもさっちも行かなくなるってことだよね。素敵に生きるにはやっぱり、「身軽」なほうがいいんだよ。
で、最後にね、ちょっと難しいかもしれないけど、
「得たものは捨てていく。築いたモノは壊していく」
これをやるといいと思うな。別に、せっかく建てたマイホームをわざわざ破壊する必要はないよね。そうじゃなくて、地位とか名声とか安定した収入とか世間の評判とかね、そういうものは新しいことにチャレンジしたり、さらに前に進むのに手枷足枷になることが多いじゃない。「ここで失敗したら、これまで積み上げてきたオレの名声に傷がつく」てな感じでね。だから、自分から先に壊しちゃうわけさ。
ボブ・ディランって超有名なアーティストがいるよね。彼はデビューした当時、「フォークの神様」って呼ばれてた。で、あるとき、有名な逸話なんだけど、そのフォークの神様を見に来たフォーク信者の前に、こともあろうにエレキギターを抱えて、「ザ・バンド」というロックバンドを従えて登場した。もう、場内ブーイングの嵐だよね。会場の外ではインタビューに答えて「あいつは悪魔に魂を売った」とかひどいことをいうヤツもいる。
ボブ・ディランはこのとき、「築いたモノを自分で壊した」んだね。だから、彼はその後も今日にいたるまで、本物のアーティストとして尊敬され続けてきたというわけ。まぁ、こういうスターの話するとね、特別な話として受け取られてしまいがちなんだけど、身の回りを見渡すと同じような身近な例は山ほどあると思わない? 自ら古いブランドをかなぐり捨てて、新しいイメージに生まれ変わる企業とかたくさんあるじゃない。
仕事でも恋愛でも、漢(おとこ)はいつでも勝負し続けなきゃダメ。ちょっとくらいなにかを得たからといって、手がすくむようじゃ勝負はできない。だから、勝負師というのは、あえて自分を破天荒な生き様に放り込むんですよ。この勝負に相手はいないのね。常に、「自分との闘い」。揺れそうになる心との闘い。この闘いに勝つためには強くなくっちゃいけない。積み上げればつみあげるほど、人は弱くなる。だから、自分で捨てたり壊したりして、勝負できる状態をキープし続けるのね。
「本当の人間性は得たときにどう振る舞うかでわかる」
というのが、今日の結論かな。「近江屋、おまえも悪よのぉ」っていわれないように生きたいよね。
そういえば、うちのかみさんが先日、取締役に抜擢されたのね。で、役員報酬の交渉になって、他の役員から「倉園さんはいま年収いくらでしたっけ?」と聞かれ、「わかりません」と答えたそうだ。彼女は1か月の手取り額すら把握していなかったらしい。尋ねた役員は大爆笑。「倉園さんてすごいねぇ、出世するわけだ」としみじみいったそうな。つき合って20年になるけどね、彼女の悪癖というかすごいところはね、預金の残高を見ずにお金を遣うとこなんだよね。まぁ、積み上げてなさ度は120パーセントだね。塾長としてすごいライバルが家にいることがプレッシャーだよ、オレ。(おわり)


ZONO、今日も冴えてるね!
先日、ある人から、「独立したらコンサルタントになろうと考えている」
と言われてぼくがしたアドバイスが「強制的自己陳腐化」なんだよ。
つまり、「いつも昨日の自分を捨てて、生まれ変わる、新たな芸を
磨き、発信しつづける」という姿勢です。
また、ある経営者が「ここ10年、ずっとうまくいっていたのにここの
ところの不況で受注が減った」とおっしゃるのに対して、
「10年間、何もしなかったんだから、そりゃ仕方ないですよね」
と言っちゃった(笑)。10年の時代の流れの中で、常に強制的自己陳腐化
をしていたら、何も怖くないんだよね。
かくいうぼくも、守ってしまいそうになるんだけどね。そういうときって、不安
だよね。