メルマガ33号で掲載された内容です。
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ZONOコラム
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◆スポーツ界のシンクロニシティ
よく、「テレビなんてくだらない」とか、「マスコミにだまされるな」とか、テレビについて否定的なことがいわれる。でもオレはテレビってとくに時代の変わり目には、ある種の空気を伝える大きな役割を担っているように思う。それは、人が創ったドラマとかじゃなくて、ニュースなどで流れるちょっとしたインタビューの一言に潜んでたりする。
なかでも、オレがいつも注目しているのは「スポーツ選手のコメント」だ。スポーツの世界では、使う素材が決まっている。「体」と「特定の道具」、そして「精神力」というか「心」。そうそう、種目によっては「気候」とかの環境もあるかな。基本的にはこれしかない。だから、こ
の決まった素材をいかにうまく使うかを、日々、進化させているわけだ。
運動科学みたいなものもそうとう進歩しているし、道具にいたっては、1足で100万円くらいするようなシューズや、イチローが使う「職人の手作りバット」のように、10年前とは比べものにならないくらい、スゴくなっている。で、「心」の分野もわれわれの想像をはるかに超えて「人はどういう心の持ち方をすれば、最大の能力を発揮できるか」が研究されているというか、突き詰められているんだな。
たとえば、最近の例でいうと、モーグルの上村愛子選手。先日の世界選手権で2冠を達成した。2つの金メダルを首にかけながらのインタビューがおもしろかった。ニュース番組のキャスターがこう聞く。
「ところで、上村さん。どうして、最近のあなたはこんなに強くなったんですか?」
それに答えて彼女。
「新しいコーチが、ものすごくほめてくれるんです。それを聞いていると、自分の滑りにどんどん自身が沸いてきて……」
だぶん、スポーツ界で「心の研究」のエキスパートといえば、コーチとか監督だろうね。この人たちの質が変わってきてるんじゃないかと思う。一昔前のコーチといえば、ソフトボール日本代表の宇津木監督を代表とする、いわゆる「鬼コーチ」タイプ。とにかく、怒って罵倒して、選手を千尋の谷に落とす系かな。めちゃめちゃ怖い。オレたちの時代なら、やっぱり星一徹でしょうね。
ね、こういう変わり目をちゃんと見なくちゃダメだと思うわけですよ。会社でも使えるはず。上村選手のようなイマ時の人には「千尋の谷」は響かない。というか、たぶん萎縮して自信をなくしてつぶれちゃう。もっといえば、人ってそもそも「ほめられて伸びる」ってことがようやく認められたってことかな。「ほめたらつけ上がる」なんてのは、ほめ方が下手だから起こることじゃないかと思う。
「ほめる」と「叱る」のバランスが絶妙っていうのが、最先端のコーチなんじゃないかと思います。それも、そんなに打算的じゃなくて、真っ直ぐ正直に伝えられる人。いいと思った瞬間に「いいぞ!」といえて、ダメだこりゃと感じたら、「いまのはよくない!」と瞬時にいえる人。そんな感じかな。
で、いままさにクライマックスを迎えようとしているWBC。これも注目ですよ。キーワードは「変化」ね。なにが変わろうとしているのか。オ
レのおすすめは、「原監督の表情」ですね。試合中に見せるベンチでの表情に注目してみてください。ホント、びっくるするほど「笑ってる」から。
北京オリンピックの日本代表はみんな「苦虫をかみつぶした顔」で闘ってた。宮本キャプテンは「練習中に歯を見せるな」と怒っていた。結果はみなさんご存じのとおり。今回、WBCの原監督は歯見せっぱなしでどこまで勝てるか。とりあえず、いまのところ、韓国にコールド勝ちして、キューバにも完封勝ちしてる。笑顔のパワーを証明するためにも、ぜひとも優勝してほしいと、日々、応援してるオレです。
人の心を扱うエキスパートがスポーツ界の最先端にいる。で、その成果は勝利インタビューで垣間見えたりする。下手な心理系セミナーに行くより、よっぽどいまを捉えているし、的を射ていると思う。でもって、シンクロニシティでも起こっているかのように、瞬く間に業界全体に伝染し始めるから、スポーツニュースを見るときはぜひ、そのあたりに注目してみてくださいね!(おわり)。