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今週のコラム

今週のコラム~◆生涯現役ってのがいいよね by 倉園 佳三

メルマガ53 号で掲載された内容です。

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ZONOコラム
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◆生涯現役ってのがいいよね
最近、老齢なプロアスリートの活躍が気になって仕方ない。以前から、さまざまな分野でご年配の方々が活躍される様子を見ながら、「素敵だなぁ」と思ってきたオレだが、全英オープンでトム・ワトソンの健闘ぶりを目の当たりにして、そこへの興味は深まるばかり。

最終日、17番ホールを終えて3アンダーで単独トップ。そこには、全盛期に五度も全英オープンを制したトム・ワトソンがいた。59歳という信じられない年齢での優勝争い。オレは、神に祈るような気持ちで彼のプレーを見守ったね。

「神様はどんなシナリオを用意しているんだろうか?」できれば、奇跡を見せてほしい。そう願いながら、彼の第2打を注目した。

結果はグリーンをオーバー。「このくらいの修羅場は何度も経験したでしょ! とにかく、次を寄せて!」オレの応援も虚しく、第3打はカップから2メートル弱も離れてしまった。

そして、運命のパーパット。若いころなら精神力と集中力でねじ込んだであろうボールは、惜しくもカップに届かなかった。痛恨のボギー。その後のプレイオフはすでに彼の流れではなく、オレが心から見たかった奇跡は起こらなかった。

もっとも印象的だったのは、プレイオフの18番ホールに向かう、トム・ワトソンの表情だったね。

満足でもなく、単なる苦しみでもなく、ちょっとした苦笑いを浮かべ、真っ直ぐにホールに目をやっている。オレは勝手に彼の心を読んだよ。たぶん、こう言ってたんじゃないかな。

「しかし、ゴルフというのはどこまで奥が深いんだろう。59歳にもなってまだまだ課題が山積みじゃないか。これだから、いくつになってもやめられねぇんだよなぁ」

日本にもいるよね。そういう常識を越えたベテランアスリートたちが。

たとえば、横浜ベイスターズの工藤選手。彼はオレの1つ下。今年で46歳ですよ。今年から中継ぎに転向せざるを得なかったけど、それでも必死に一軍でがんばっている。

あと、あの伊良部投手ね。彼は今年で40歳。2005年に一度は引退を表明するものの、今年、米国独立リーグで現役復帰を果たし、現在は四国・九州アイランドリーグの高知ファイティングドッグスで活躍している。月給は16万円程度だというからすごいよね。

一昔前よりも、こういうベテランの活躍が増えてきたのはなぜか。

オレはね、「絶対価値」「絶対評価」という考え方がだんだん広がりつつあるからだと思っているよ。絶対評価の反対は「相対評価」ね。「人と比べて自分はどのくらいか?」「まわりは自分のことをどう見ているか?」こういうことを気にする世界。

そうね、10年前だったらどうだろう。40歳過ぎて、ちょっと膨らんだお腹でそれほど速くもないボールを投げている投手なんて、「みっともない」と思う人が多かっただろうね。「若いヤツにはかなわない」「まわりから、いつまで続けるんだと笑われる」。そう考えると、早期引退したほうが体裁がいいってね。

ワトソンも工藤投手も伊良部投手も、そんなことは気にしていないでしょ。「オレはこれが好きだから、いくつになってもやるんだよ」。以上!って感じでしょ。まさに、絶対価値、絶対評価の世界。自分の生き方は自分で決めるってヤツだよね。カッコイイと思うよ、オレは。

そうそう、イチロー選手もいつも言ってるよね。「ボクは65歳まで現役でいたい」ってね。おそらく、彼は今年、9年連続200本安打の大記録を達成するでしょう。でも、本当の大記録はもっと先にあると思うね。「65歳で3割超え」。彼ならきっとやってくれるはず。

年功序列、終身雇用の時代は「定年退職」という言葉があった。オレにいわせれば、クソ食らえだね。なんで、自分の退職する年齢を第三者に決められなきゃならないのかわからない。たかが組織の都合で人の人生を決められてたまるものかと思うよ。

そんなことやってるから、年金問題なんてのが起こるんじゃないか。オレは死ぬまで働きたいと思っているもの。死ぬまで辛い労働をしたいと言っているのではない。自分が心から打ち込めて、愛情を注げる仕事を最後の最後までやめたくないってこと。

シルバー産業なんて言葉もあるけど、老人をなめてはいけない。熟練した技、数え切れない修羅場を乗り越えてきた経験、あとに続く若者たちへの指導力。もしも、生涯を通じてその仕事に真剣に打ち込んできた人なら、歳をとることは決してマイナスではなく、貴重な財産になるに決まっている。

「生涯現役」これがオレの夢だね。でもって、それができるように、自分が愛せる仕事と常に関わっていたいし、スキルや技や芸も磨きまくっておきたい。リタイヤなんてありえないし、老後の生活なんてのもいらない。ベテランアスリートたちの活躍は、間違いなく生涯現役っていうシグナルをオレたちに送ってくれているよね。


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