現在の市場環境は、「参加型」になっている。
パソコンはもとより、ブラウザフォン(Iモード他)、ザウルス、パームなどの
PDA(携帯情報端末)といった電子デバイスが個人一人ひとりにパワーを与え、
「e」(electronic=電子武装され知識。インターネットや電子デバイスによって強化された
知識を指す)を日常化させ、
結果として企業と生活者との境界線をきわめて曖昧なものにしている。
生活者のほうが商品知識に詳しかったり、あるいは商品だけではなく、
「商品の使われる日常生活のシーン」について新しい工夫を発見したりして啓発されている。
(中略)
伝統的な市場では、企業がマウンドに立ち、
生活者に向かってボール(メッセージ)を投げる図式だったが、
新しい市場においては、生活者も製品開発やマーケティングに参加している。
この図式が、企業も生活者も、ともにお祭りのみこしをかつぐ姿をイメージさせるところから、
私は「お祭り型市場」と呼んでいる。
お祭り型市場に生きる生活者の特徴は次の四点である。
お祭り型市場生活者の特徴
1. 市場に参加する。
2. 企業の言うことを聞かない
3. 情報武装していて、啓発されている
4. インターネットで互いにつながっている
(中略)
顧客に密着すればするほど、「過去の延長」の発想になり、
ブレークスルーは生まれてこない。
そして、車のデザイン、新人発掘オーディション企画にあるように、
企業が世に問う自社の価値そのものの放棄につながりかねないことになってしまうのである。
これが、お祭り型市場のワナだ。
出典:「スロー・ビジネス宣言!」阪本啓一著 日経ビジネス人文庫