「スロー」とは、一言で言うと「ほんもの」です。
自分が大切にしている価値をじっくり育て、丁寧に世の中に発信していく姿勢をいいます。
打ち上げ花火のようにパッと上がって、パッと消えるようなうたかたのブランドではなく、
末永く命を保てるような、そんなブランドのことです。
(中略)
スローなブランドを創るために必要なことは「顧客への愛」「自らの美学」です。
ブランドがこの二つを持っているかどうか、時々セルフチェックする習慣をつけましょう。
「顧客への愛」というと、短絡的に「顧客サービスを充実させる」となって、
たとえばチャーハンの盛りを多くしてあげる(笑)、とかいうことに発想が行きがちですが、
違います。
「顧客を読む」ことです。
顧客がどんなことに感動し、何によってハートに火がつくのか、
しっかり観察しなければならないのです。
(中略)
美学とは、別の言葉で言うと「矜持」「誇り」「こだわり」です。
美学は「これはやる」「これはやらない」というものさしにもなります。
パッケージの項でも説明しましたが、パッケージはディテールの積み重ねで成り立ちます。
神は細部に宿る。
ブランドの隅々まで美学が一本通っていなければなりません。
出典:「ブランドの授業」阪本啓一著 PHP出版